(2024.1.19 Vatican News )
バチカン・シノドス事務局長のマリオ・グレック枢機卿が19日、バチカンを訪問したフィリピン新福音化委員会(PCNE)のメンバーと会合を持ち、昨年10月の世界代表司教会議(シノドス)総会第一会期の成果と、今年10月に予定される総会第二会期への期待を語った。また、同国の教会における”シノドスの道”の歩みの経験や第二会期に向けた対応などについて強い関心を示した。
グレッチ枢機卿は、まず昨年10月の総会第一会期の会議を振り返り、参加者たちがバチカンのパウロ六世謁見ホールで、司祭も信徒も席を共にし、「まるで結婚披露宴か、大家族の集まり」のように10人から12人づつに分かれて円卓を囲んだことに注目。「シノドスの取り組みにおける この斬新さは、『霊の対話』の舞台を整えるのに役立ちました」と述べた。
また、この会議に、信徒、奉献生活者、助祭や司祭など、司教以外の人々も、完全かつ平等に決議権を持って参加したことを指摘。 「話を聞いてもらうことで、孤独感も克服できる。 人々が時間をかけ、努力して自分の話に耳を傾けてくれると、自分が認められているのだ、と感じます。 そして、また、仲間意識、連帯感を育みます」と経験を語った。
また昨年10月の会議後の発表した総会第一会期の総括文書から、若者たちについて述べた箇所を取り上げ、 「総括文書は、教会が、地域社会、ミサ典礼、宣教活動で若者たちとの関わりを高めていく必要を強調している」とし、「世界的に見て多くの若者たちが住んでいるフィリピンはじめアジアのカトリック教会は、世界の教会の中でリーダーシップを発揮するのに適した立場にあります」と強調した。
また総括文書で、「地球の叫びと貧しい人々の叫び」に耳を傾ける必要を強調していることにも注意を向け、それが緊急に必要であり、貧しい人々に寄り添うには、彼らと協力して、”共通の家”である地球を大切に育てる努力が必要があること、「この叫びに適切に対応していないことが、環境危機、気候変動、人類の生存に対する脅威を引き起こしています」と語った。
そして、フィリピンの教会が、この問題で主導的な役割を果たすよう呼びかけ、「地球の叫びと貧しい人々の叫びに応えるために、すべての良心を研ぎ澄ませてください」と求めた。
最後に、総括文書が強調されている重要なテーマが、私たちに、「福音の喜び」-「良いたよりを聞くことと、それを宣べ伝えることから湧き出る喜び」を自分の心と思いの最上位に置くことを思い起こさせる、と述べた。
なお、今年10月に開かれる総会第二会期への準備に関連して、枢機卿は、「これからの数か月間が、教会の日常的な活動の中で、宣教への共同責任をどのように果たし、それが当然となるようにするかについての、私たちの理解と経験をさらに深める期間となるでしょう」と語り、「教会の使命と奉仕を、すべての信者が参加して共同責任を果たすために、実践的な歩みを進めること」「シノダル(共働的)な力強さ教会の日常活動にしっかりと浸透させ、自分たちの教会においてシノダリティ(共働性)への理解を深め、活動していくこと」を勧めた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)