・豪州のカトリック司教協議会が、性的虐待対策の年次報告を国に提出

2021.11.18 abusi su minori, abuso, tutela del minore

 豪州カトリック司教協議会(ACBC)とカトリック修道会連盟(CRA)が9日、「教会における性的虐待に対処する国および地方レベルでの取り組みに関する年次進捗報告」を発表した。

 報告は、ACBCとCRAが、同国の王立委員会から、児童への性的虐待に対して制度的な取り組みを勧告されたのを受けて、2018年から毎年出されているもの。

 児童保護の分野でなされた対応の進捗状況について具体的に同国政府に報告するのが目的で、全国の50以上のカトリック関係団体から出された報告をもとにまとめられており、カトリック教会の全国的な児童保護の取り組みを強化するため、これまでのCatholic Professional Standards Limited(CPSL)に代わる全国組織として、Australian Catholic Safeguarding Limited(ACSL)を設立したことなども盛り込まれている。

 報告は序文で、ACBC会長のマーク・コールリッジ大司教とCRA議長のピーター・キャロル師は「私たちはあまりにも多くの子供たちを失望させ、何千人もの人々を虐待した」とし、「恥ずべき過去」を改めに反省した。

 そして、「豪州のカトリック教会は、聖職者、修道者、教会で働く一般信徒による児童への性的虐待という悲劇的な行為で、彼らに及ぼした危害の全責任を負う」ことを確認し、 「心身に深い傷を負わせた聖職者たちなどの過ちと、それに全く、あるいは適切に対応しなかった教会指導者たちの過ちは、被害者とその家族、そして彼らの助けようとする人々を傷つけ、多くの人々に苦痛に満ちた人生をもたらしました。そして、教会の共同体を傷つけ、社会の多くの人々を幻滅させました」と改めて謝罪している。

 そのうえで、コールリッジ大司教とキャロル師は、豪州のすべての司教と修道会責任者を代表して、教会の使命として「(信徒たちの)安全を最優先事項」とし、「性的虐待被害者のより良い未来を築く」ことに全力を尽くし、子供たちへの配慮を強化する、という誓約を繰り返し、教会の使命は、「これまでに起きた虐待を痛悔し、被害者たちの心身に具体的に癒しをもたらすことによって、初めて果たすことができます」と言明した。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2021年12月19日