(2021 年 11 月 19 日、ルルドで開催された、フランスの男性と女性の宗教者会議 (CORREF) の会長であるシスター・ヴェロニク マルグロン (GAIZKA IROZ/AFP )
(2022.11.10 La Croix Héloïse de Neuville and Christophe Henning | France)
フランスの男女修道会連合の会長mシスター・ヴェロニク・マルグロンが10日、LaCroixとの会見に応じ、数十年前に枢機卿が少女を虐待したことがどのようにして明らかになったかについて語った。
そして、「(虐待的な聖職者に対する)教会法に基づく措置や制裁の公表、そして事実も、それが真実であるという十分な確証があれば、新たな犠牲者があえて声を上げることができる。公にすることが必要です」と述べた。
一問一答の内容は次の通り。
問:LaCroix: フランス司教会議(CEF)の会長、ムーラン・ボーフォール大司教は、リカール枢機卿が6日に認めた未成年者への暴行について、自分に知らせたのはあなただ、と言っています。経過を説明していただけますか?
答:Margron: 今年 2 月、リカール枢機卿から性的虐待をされた女性は、彼がFoyers de Charité(フランスを中心に欧州、アフリカ、インドで癒しの家を運営する組織)の暫定代表に任命されたことをマスコミで知って驚きました。Foyers de Charitéは、共同創設者のジョルジュ・ フィネ神父による性的虐待が2020年になって公になり、社会的な問題になっている。その団体の立て直しの役を彼が受けたというのです。
彼女は非常に腹を立て、私に連絡を取り、「私が 13 歳のときに性的暴行をした人物が、この役職に就くことは認められない」と訴えました。それを聞いて、 私はすぐに CEF の会長に知らせました。会長は彼女から事情を聴き、次にリカール枢機卿に連絡を取りました。すべてにかかった時間はわずか 10 日でした。
問:なぜ、あなたもムーラン・ボーフォール大司教も、事実を知ってすぐに司法当局に報告しなかったのか、疑問に思う人もいます。
答:彼女は、自分が訴えてからの対応が速やかになされたことに感謝してくれました。それで、そのままにしておいたのです。その後、彼女から、被害を申し立てることについて、私に相談がありました。彼女は何年も前に、告発することを考えたが、この虐待事件は時効になってしまっている、とあきらめていた、と言うのです。
私は、彼女に、 教会としてなら提訴できる、と提案しました。被害に対して声を上げる方法を知ることは重要です。そうでないと、被害者たちは、加害者に”モノ”のように扱われ、受け身にさせられしまいます。被害者自身が提訴しなくても、被害者が積極的な参加者であり続けることが必要です。
ムーラン・ボーフォール大司教が検察当局に出向いたのは、彼女の同意を得てからでした。検察当局への報告は、それより前の10月24日にニース教区の フィリップ・ ノー司教が既に作成していました。(ノー司教は、今年3月までディニュ教区=リカール枢機卿が引退後に住んでいた教区=の教区長を務めており、その時に被害者の両親から手紙でこのことを知らされていた)。
問:あなたに打ち明ける前に、被害者はすでに性的虐待を受けた事実を他の修道者や聖職者に話していたのでしょうか?
答:彼女は教皇フランシスコに 2 回、手紙を出しています。5年ほど前に最初の手紙を出しましたが、返事がもらえず、今年の 5月から6月の間に、フランス駐在のバチカン大使経由で二回目の手紙を出しました。大使は10月に、彼女からの手紙を受け取ったことを認めています。彼女は、親戚や友人にも、被害について話しました。その中には司祭も含まれています。
問:教会法に基づく制裁や性的虐待の事実の公表について、どうお考えでしょう?
答:難しい質問ですね。教会法に基づく措置や制裁の公表は、それが真実だという十分な確証があれば、新たな被害者があえて声を上げることが可能です。ですから、公にすることが必要です。
問:でも、具体的にどのようにしたらいいのでしょうか?
答: まず、法律を重んじ、被害者、被告人を尊重する枠内で行うことです。被害者たちのサークルと、組織に関係する人々ー同じ組織の修道者、教区を担当する司祭と一般信徒ーのサークルがあります。そして、事実と共に措置の公表が迅速に行われる必要があります。
問:その後はどうですか?制裁措置とその理由を教区のウェブサイトあるいはその他の方法で公開する必要がありますか? 声明を出す必要がありますか?
答:公表の仕方などについては、私たちの慣習法とEU(欧州連合)一般データ保護規則 (GDPR) に従って、改めて決める必要があります。私たちは治安判事や精神科医などと継続的に協力せねばなりません。これらはすべて、被害を受けた可能性のある人に対する支援と真実の究明を目的としています。
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