☩「性的虐待被害に対して必要なのは、被害者への心の眼差しと寄り添いから生まれる具体的な行動だ」ー教皇、「未成年者と弱い立場の成人保護委員会」委員へ

教皇フランシスコ、教皇庁未成年者保護のための委員会メンバーと 2024年3月7日 バチカン宮殿教皇フランシスコ、教皇庁未成年者保護のための委員会メンバーと 2024年3月7日 バチカン宮殿  (ANSA)

(2024.3.7  バチカン放送)

 教皇フランシスコが7日、教皇庁の「未成年者・弱い立場の成人保護のための委員会」のメンバーとお会いになった。

 同委員会は、世界のカトリック教会において未成年者を保護し、虐待を防止することを目的に、2014年に設立され、例年、この時期に定例総会を開いている。教皇の総会参加者へのあいさつは、風邪の症状が続く教皇に代わり、国務省のピエルルイジ・ジロリ師によって代読された。

 あいさつで、教皇は、未成年者と弱い立場にある成人の保護を目的とした助言と相談を提供し、教会を常により安全な場所とするための委員会の10年にわたる活動の広がりに感謝を述べ、「引き裂かれた人生を再び築き、苦しみを癒すことは、非常に複雑で重い課題であり、虐待のスキャンダルと、被害者の苦しみを前に、私たちは意気消沈するかもしれません。だが、そのために努力を決して怠ることがあってはならないのです」と励まされた。

 そして、「教会がどこにあっても、誰もが『家』と感じ、すべての人が聖なる存在として尊重される場所となるように」と委員会のさらなる前進を願われ、「虐待の被害者への保護と寄り添いは、傾聴、介入、予防、支援からなる具体的なものでなくてはなりません… 教会の指導者たちはもとより、私たち皆が、被害者の苦しみに心を揺さぶられ、その声に直接耳を傾け、様々な方法によってその苦しみを和らげ、異なる未来を準備することが求められているのです」と強調された。

 また、教皇は、「虐待の被害者に対する答えは、心の眼差しと寄り添いから生まれます。被害を受けた兄弟姉妹たちが受け入れられなかったり、耳を傾けてもらえなかったりすることは、決してあってはなりません。彼らの苦しみを増すことになるからです」と、参加者たちに注意を促され、「虐待を断固として非難し、それを防ぎ、被害者に憐れみに満ちた関心を注ぎ、教会を受容的で安全な場所とするために、教会があらゆる力を尽くすように」と強く願われた。

(編集「カトリック・あい」)

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2024年3月8日