(2023.12.27 カトリック・あい)
仙台市の女性が、カトリック仙台教区の司祭から性的暴行を受け、 PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症、 その後の教区関係者の不適切な対応、 発言もあって多大な精神的苦痛を受けたとして、 同教区などに謝罪と計5100万円の損害賠償を求めていた訴訟に ついて、仙台地方裁判所は20日、被告の仙台教区などに対して、原告への謝罪、バチカンに出した報告書の内容の一部の取り消しと原告への謝罪、解決金330 万円の支払いなどの最終和解条項による和解を勧告し、原告、被告 双方が受け入れた。原告が2016年に仙台教区に被害を申告して から9年、2020年9月に仙台地裁に訴訟を起こしてから3年3 か月かかって、ようやく当面の決着を見たことになる。
仙台地裁が勧告した和解条項では、 被告のカトリック仙台教区に対して、「 教区の第三者調査委員会から『 被害申告行為は存在した可能性が高い』 と判断されたことを重く受け止め、謝罪」するとともに、「 教会施設内において、聖職者と信者との間でおいて不適切な性的 言動、性的ハラスメント、および性的暴行・虐待がなされるなどの内容につき、その防止に努め、 信者からの申告があった場合には、今回の件を教訓として、 速やかに調査を行い、 事実に基づき適切な措置をとることを約束する」(以上、原文のまま)と規定。
また、被告の仙台教区などに対して、「被告が第三者調査委員 会の結論を原告に伝える際の言動が、 性的被害を訴えている原告の心情に対する配慮が不足していたこと を認め、謝罪する」こと。さらに、「被告は、医師の診断書もないのに(「カトリックあい」注=駐日バチカン) 大使館を通しての(同注=バチカンの)福音宣教省への報告書に『 ×××』『△△△』と記載したこと」を取り上げ、 この記載を取り消し、謝罪し、その旨を福音宣教省へも報告し、 その報告文書の写しを原告に交付すること」としている。
そのうえで仙台教区は「魂の救済を図るべき宗教団体であること」 に鑑み、元信者である原告が「 神父による性的加害行為を申告していること」を考慮して、 原告に対し、本件解決金として330万円の支払い義務があること と認める、としている。
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