・「東京大司教の務めもおろそかにしない」国際カリタス総裁選任で菊地大司教がメッセージ

(2023.5.15 カトリック・あい)

 国際カリタス総裁にカトリック東京大教区長の菊地功・大司教が選任されたが、大司教から15日、東京大司教区の司祭、信徒への以下のメッセージが届いた。全文以下の通り。

カトリック東京大司教区の皆様へ

 主の平和

 国際カリタス総裁(会長)選出にあたって

 すでにお知らせや報道がありますが、現在ローマで開催されている国際カリタスの総会で、5月13日夕方、今年で二期8年の任期を満了したタグレ枢機卿の後任総裁(会長)を選出する選挙が行われました。その結果、2023年5月から2027年5月までの次期総裁(会長)として私が選出されましたので、東京教区の皆様にお知らせいたします。

 国際カリタスは世界各国・地域の司教協議会によって認められている「カリタス(愛)」の活動を行う団体による連盟組織で、国際社会では国際赤十字に次ぐ第二の規模を持つ人道支援組織と言われています。日本からは、司教協議会の委員会である「カリタスジャパン」が、国際カリタスの連盟に参加してきました。現時点では世界各地から160を超えるカリタスが連盟に参加し、教皇庁の総合人間開発省のもと、バチカンに本部事務局を置いています。

 4年に一度開催される総会では、連盟全体の活動計画や予算計画と共に、総裁(会長)、事務局長、会計が選出され、同時にその後4年間の役員会のメンバーも承認されます。

 事務局長はローマ本部で常勤となりますが、総裁(会長)と会計は非常勤です。したがって、今回わたしは総裁(会長)に選出されましたが、東京を離れるわけではなく、役員会など必要に応じてローマなどに出かけることになります。

 なおこの選挙は立候補制ではなく、連盟に加盟する団体からの推薦(ノミネート)を受けて内部の委員会が審査し、その後、国務省の審査を受けた上で候補者と認定されます。今回、総裁候補者には、私以外に4名の方がおられました。

 事前の情報では私が選出される可能性はほとんどありませんでしたが、どういういきさつなのか3回目の上位2名の決選投票までもつれ込み、最終的に一票の差で私が選出されることになりました。選出されるとは全く思ってもいませんでしたので、何もそのための準備をしていませんでした。

 国際カリタスは、普遍教会の本質的な役割の一つである愛の業を率先して実行し、神の愛を目に見える形で証しする存在として、教会全体の福音宣教と存在そのものにとって大きな意味を持つ活動です。今回多くの加盟団体の支持をいただいて総裁(会長)に選出されましたので、教皇様の意向に従い、教会の愛の業を深めていくために力を尽くしたいと思います。

 教区の皆様には、現状、補佐司教も任命されていない中、今回の選出に関連して、今後の予定の変更や調整など大きな迷惑をおかけすることになります。当然、私の第一の務めは東京の大司教ですので、それ務めをおろそかにしないように全力を尽くします。

 教区の皆様のご理解とお祈りを、心よりお願い申し上げます。

カトリック東京大司教区 大司教 菊地功

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2023年5月15日