♰「イエスの教えと癒しの業に注目しよう」-年間第四主日の正午の祈りで

Pope during AngelusPope during Angelus  (ANSA)

(2021.1.31  Vatican News staff writer)

  教皇フランシスコは31日、年間第四主日の正午の祈りの説教で、「主の言葉を聴き、主に付き従い、人生で主の救いの幾つものしるしを経験するために、虚心坦懐になって聖書を読むように」と信徒たちに勧められた。

 説教で教皇は、この日のミサで読まれた、安息日にカファルナウムの会堂でイエスが教えられた場面を描いたマルコ福音書の箇所(1章21-28節)を取り上げ、まず、彼の教えを聴いた人々の反応に注目された。

 人々は、イエスの語り方に引きつけられ、律法学者のようにではなく、権威ある者のように教えられたので、驚く。そして、イエスは、その業においても強い力があることを示されるー会堂にいた一人の男が彼に向って『神の聖者だ』と叫び声をあげると、イエスは、彼の中にいる汚れた霊に、その男から出て行くように命令し、追い出される。

 教皇は、この箇所でマルコは「イエスの業の二つの特徴的な要素を強調しています。それは、『教えを説くこと』と『癒す者としての超自然的な業』です」と指摘。「教えを説くこと」が強調される一方で、「悪魔を追い出す」ことが、「イエスとその教えの並外れた権威を確認するものとして提示されていされているのです」と語られた。

 そして、「教えを説くこと」について、「イエスは、ご自身からもたらされた教義をもつ者として、それまでの伝統と律法を繰り返す律法学者のようにではなく、ご自身の権威をもって教えを説かれました。神が語るのと同じ権威をもち、ひとこと命じることで、悪魔に憑りつかれていた男から悪魔を追い出し、癒されるのです」とされ、「イエスの言葉は、話されたとおりに実行されます。イエスがまさに、”究極の預言者”だからです。イエスは、人の姿となった神の御言葉です。それが、イエスが、神の権威を持って語られる理由なのです」と説かれた。

 次に「癒しの業」について、教皇は、「キリストの教えは、人類と世の中に存在する悪を打ち負かすことを意図していることを示しています」と語られ、「イエスの言葉は、ご自身を危機に陥れ、たじろがせ、この世を去ることを強いる、サタンの王国を直接、指し示します… 会堂で悪魔に憑りつかれた男は、主の命令を受け、解放されて、新たな人に変えられます」と述べられた。

 さらに、「イエスの教えは、この世のもの、邪悪なものと正反対の論理に沿っています。彼の言葉は、物事の誤った秩序を激変させます」とされ、カファルナウムの会堂で、「男に憑りついていた悪魔は、イエスが近づくと『ナザレのイエス、構わないでくれ。我々を滅ぼしに来たのか』と叫びます。これは、イエスとサタンが全く異質であることを示す言葉です。両者は完全に異なる次元に∄し、共通点はありません。互いに正反対なのです」と強調された。

 説教の最後に教皇は、この日読まれたマルコ福音書は、「安息日にカフェルナウムの会堂でイエスの教えを聴いた人々の感嘆と驚きのいくらかを、私たちにも呼び起こすことでしょう」と語られ、世界の信徒たちに、福音書を常に携帯して、開かれた心で深く味わい、神の言葉と救いの約束に触れ、癒されるように勧められ、次のように祈られた。

 「イエスの言葉と振る舞いをいつも心に留め、完全な意欲と忠実さをもってイエスに従われた聖母マリア。日々の暮らしの中で、私たちがイエスに耳を傾け、イエスに付き従い、イエスの救いのしるしを体験するのを助けてくださいますように」

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2021年1月31日