☩軍事クーデターから1年4か月ー教皇、「苦難続くミャンマーの人たちを忘れないように」と訴え

Karen people crossing the Salween river into Thailand to seek refuge from airstrikes in Myanmar's eastern Karen stateKaren people crossing the Salween river into Thailand to seek refuge from airstrikes in Myanmar’s eastern Karen state 

(2022.6.19 Vatican News  By Linda Bordoni)

    教皇フランシスコは19日の正午の祈りの説教のあと、昨年2月の軍事クーデターから1年4か月たったミャンマー情勢に言及され、「依然として暴力にさらされ続けているミャンマーの多くの人々の苦しみから目をそらさないように」と訴え、世界の指導者や人々、関係機関に行動を起こすよう強く求められた。

 教皇は、「ミャンマーの司教たちは、自分たちの国、人々のことを忘れないように、と訴えています。私もこの訴えに加わります」とされ、世界の指導者や人々、関係機関などに「ミャンマーの人たちの尊厳と生命への権利を尊重し、そして礼拝の場、病院、学校を守ることを忘れないでください」と要請。

 「基本的な人道援助を受けられず、家を焼かれ、暴力から逃れるために故郷を捨てさせられた、極めて多くのミャンマーの人たちの苦痛の叫びが、繰り返し聞こえます」と重ねて訴えられた。

 ミャンマーのカトリック司教協議会はこのほど開いた総会で、自国で続く内戦の矢面に立たされ続けている人々の窮状に対する深い懸念を示す共同声明をまとめ、「あらゆる分野で、人間の命と尊厳が守られるように。人間の尊厳と生存権は決して侵害されてなならない。私たちは命の尊重と礼拝所、病院、学校の神聖さが守られるよう強く求めます」と訴えている。

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 現地の人権団体AAPPによると、昨年2月1日の国軍によるクーデター発生以来、17日現在で1963人が殺害され、1万4156人が逮捕され、うち1万1096人が拘留されている。 国連難民高等弁務官事務所によると、難民は国内だけで80万人以上にのぼっているが、国軍は、依然として、教会や関連施設を標的にし続けていると伝えられている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2022年6月20日