☩「 第三バチカン公会議よりも、第二バチカン公会議の 決定事項の完全実施が必要」教皇、スペイン誌のインタビューに

(2023.8.3 Vatican News  By Lisa Zengarini)

   教皇フランシスコは3日発行のスペインのカトリック誌「Vida Nueva」創刊65周年記念・教皇特別号のインタビューで、「教会は、第三バチカン公会議を計画する前に、(60年前に開かれた)第二バチカン公会議の決定事項を完全実施する必要がある」と語られた。

 インタビューで教皇は、第3バチカン公会議の召集をめぐる関係者たちの憶測、10年にわたる教皇職の回顧、世界の状況に関する懸念、今後の海外訪問の予定などについて質問に答えられた。

 まず、現在進んでいる”世界に開かれた教会改革”の起点となった第二バチカン公会議に次ぐ、 第三バチカン公会議の召集の可能性について、教皇は「まだ機が熟していません。第二バチカン公会議の決定事項がまだ完全に実施されていない今の時点では、その必要すらありません」と答えられた。

 ロシアによる ウクライナ軍事侵攻が長期化し、罪のない子供や市民に多くの犠牲者が出ていることについて、教皇は、和平への道を模索する特使に任命したイタリアのズッピ枢機卿が、キエフ、モスクワ、ワシントンを訪問した後、中国の北京を訪問する予定であることを確認。 ロシア軍に拉致されたウクライナの子供たちを取り戻すバチカンの外交努力にも言及し、「ロシアとウクライナ当局間の橋渡し役となる常任代表を任命すること』を明らかにされた。

 さらに、アラブ首長国連邦のアブダビで宗教指導者を集めた平和サミットを開く方向で最終調整していることも明らかにするとともに、コソボとスペインを訪問することを考えており、さらに母国アルゼンチン訪問も「課題にある」と述べられた。

 また、これまで繰り返し語られている「教会改革に対する夢」についての質問には、「時として”無力感”を感じることがありますが、それは良いことです。なぜなら、それが、自分が神だと慢心するのを妨げるからです」としつつ、「 いずれにせよ、福音なしに教会を改革することはできません」とされ、観念に走ることを警告された。

 そして、「世界中で13億人を超えるカトリック信者の司牧者」としての責任について、「数々の問題が、私の睡眠を奪ったことは一度もありません」と断言された。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2023年8月4日