☩「長引く戦争の中で、和解の種を蒔き、平和を造る者となれ」教皇、ロシアの若者たちに

Pope Francis in connection with the 10th National Meeting of Young Catholics in St. Petersburg, RussiaPope Francis in connection with the 10th National Meeting of Young Catholics in St. Petersburg, Russia 

*神の言葉をすべての人に伝えよう、教会は”入場希望者”を断るな

 続けて教皇は、イエスが「大宴会のたとえ話」で語られた、招待客に宴会への参加を断られ、僕に、街に出て、貧しい人たち、体の不自由な人たちなどを宴会に連れてくるように命じた主人の振る舞いを取り上げ、「この主人のように、神の言葉をすべての人に伝えるようしましょう。イエスがこのたとえ話でおっしゃりたかったのは、皆、皆、皆に・・・ということなのです」と指摘。教会も、来る人を選ぶ、来る人を『いっぱいだから』と断るようであってはならない、とされ、「教会は入場無料です。誰もが、イエスの招待の声を聞きます―『自分に従い、教えと秘跡の助けを受けて主の道を歩み、神の前にどのように立つか分かるように』という声です」と語られた。

 

 

*年配者も若者も互いに心を開け

 教皇はまた、年配者と若者の対話の重要性について触れられ、「世代間の架け橋を築く人」になるように、若者たちを促された。

 「世代間の連携によって、民族の歴史と文化は生き続けます」とされ、年配のエリザベトが身ごもったことを聞いて、喜びを分かち合うために急いで山里の彼女の家に行ったマリアのように「希望のしるし、平和と喜びのしるし」となり、マリアの謙虚さを見倣うことで、「あなたがたが生きている歴史を、変えられますように」と希望された。そして、 「年配のエリザベトは、歳を重ねることで得た知恵によって、聖霊に導かれ、若く、恵みに満ちたマリアを力づけたように」、若者たちは年配者から知恵と力をもらうことができる、と強調された。

 

 

*キリストは、暗闇から私たちを救い出す

 以上の講話に先立って、教皇は何人かの大会参加者の話をお聞きになった。スピーチの前に、神学校に入学する10年前までオカルトの儀式に参加していたアレクサンダー・バラノフ氏(34)は、「 教会にとって、最も重要なことは、人々を暗闇から救い出すことだと思います。 そうでなければ、教会を人々にとって魅力的な存在にする他の努力は無駄になってしまう」と述べ、「恐怖、喪失の痛み、自分の弱さの経験、経験した暴力やトラウマなどの問題を私たちは抱えているが、それにもかかわらず、自分たちが命、救い、愛を受けるに値する存在であることをキリストがどのように示しておられるか、について、皆で話し合う必要がある。そこで得られる経験は、人々をキリストのもとに導くための他のあらゆる計画よりも重要です。私たちを癒し、暗闇から光へ、死から命へ、サタンからご自身へ、そして御父へと導いてくださるのは、キリストです」と語った。

 また、8人の兄弟姉妹の二番目に生まれたバルバラ・モロティロワさんは、 彼女の両親がエカテリンブルク教区長ヤロスラフ神父が司牧していたウラル山脈の教会共同体のおかげで結婚したことから始めて、カトリックの信仰が家族の中でどのように生き、受け継がれてきたか、について語り、「私の自由な選択は、両親の愛によって支えられており、両親はキリスト教を信じる夫婦として、日々の犠牲に立ち向かう謙虚さ、忍耐、そして尊厳を教えてくれます」と述べた。

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 ロシア・カトリック青少年全国大会は25日に始まり27日に閉幕するが、この間、若者たちは環境問題、社会の中の友情、神の憐みなどのテーマで、様々な小会場で25人から30人のグループに分かれて毎朝集会をもち、青少年育成担当司祭や、修道者、司教たちが彼らを指導、支援した。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2023年8月27日