☩「無関心を捨て、友愛の道を共に歩もう」ー教皇が 国連「人類友愛国際デーにメッセージ

(2022.2.4 バチカン放送)

 今年で二回目となる国連の「人類友愛国際デー」の4日、教皇フランシスコが、ドバイ国際博覧会会場で開かれた記念の会議にビデオ・メッセージを寄せられた。

 メッセージの冒頭で、3年前、アブダビで「世界平和のための人類の友愛」と題する文書に共に署名したアル=アズハルのグランド・イマーム、アフマド・アル・タイーブ師、このテーマに取り組むアブダビのムハンマド・ビン・ザーイド皇太子、国連関係者はじめ人類の友愛を推進するすべての人々に挨拶をおくられた。

 そして「友愛は、苦しむ人や恵まれない人が疎外されたり、忘れられることなく、唯一の人類家族の一員として受け入れられ支えられるために、人民間の基礎にあるべき本質的で普遍的な価値の一つ」とされ、「私たちは兄弟です」と強調。「友愛の思いを互いに分かち合うことにおいて、皆が、持続可能な発展・寛容・一体性・相互理解・連帯を励ます平和の文化の推進者にならねばなりません」と語られた。

 教皇は、今年の「人類友愛国際デー」のテーマである「同じ空の下に」に触れつつ、「どこでどのように生活しているか、肌の色、宗教、社会的階層、性別や年齢、健康や経済状態にかかわらず、私たちは皆、同じ空の下で生きています」とし、「新型コロナの世界的大感染が明らかにしたように、私たちは一人だけで救われることはできないのです」と訴えられた。

 さらに、「神の名のもとに同じ空の下で暮らす私たちは、神に創られたものとして、互いを兄弟姉妹と認めると同時に、人々の眼差しと祈りを天に向けるのを助ける役割を負っています…天に眼差しを上げましょう。なぜなら、誠実な心で神を礼拝する人は、隣人をも愛するからです」と説かれた。

 そして、「今日こそ、信仰を持つ人、すべての善意の人が共に歩み、私たちの多様性の中の一致を讃え、『友愛の時代が来た』ことを社会に告げるために、互いに助け合う時」とされたうえで、「今は無関心の時代ではありません。友愛がなければ、すべては崩れます」と強調。

 「友愛の道は長く険しいが、それは人類を救う”錨(いかり)”なのです… 「多くの不穏なしるしと、闇の時代、紛争の論理に対し、互いの個性を尊重した、受け入れの態度、共通の歩みを促す友愛のしるしをもって対抗しましょう」とアピールされた。

 最後に教皇は、「調和と平和のうちに生きることは可能だ」との確信をもって働く人々、友愛の歩みに加わる人々、平和のために、また貧しい人、弱い立場の人の求めに応える努力をしているすべての人々に感謝を表され、多様性の調和と互いの個性の尊重のうちに、平和と正義を作り出す者となるために、「皆が兄弟として、共に並んで歩むことができるように」と願われ、「この友愛の道を進みましょう」と会議の出席者、そして世界の全ての人々に呼びかけられた。

(編集「カトリック・あい」)

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2022年2月5日