☩「欧州の”壁”が”玄関口”となるように」ー教皇、European Catholic Social Daysに

Refugees from Ukraine are seen as they arrive at the Polish-Slovakian border crossing in Kroscienko, PolandRefugees from Ukraine are seen as they arrive at the Polish-Slovakian border crossing in Kroscienko, Poland  (AFP or licensors)

*彼らの叫びは私たちに行動を求めている

 また、教皇は、European Catholic Social Daysの今回の標語である「コロナ禍を超えた欧州、新たな始まり」を取り上げ、「新型コロナの大感染は、欧州の社会、経済、文化、さらには教会に大きな変化をもたらしています。長引く苦痛の中で、恐怖が高まり、貧困が増大し、孤独が増している。多くの人が職を失い、不安定な生活を送る一方で、他者との関わり方が変っています」と指摘。

 「そのような中で、私たちは、ぼんやりと立っていてはなりません。キリスト教徒として、そして欧州市民として、私たちは勇気を持って、『私たちの故郷、欧州。私たちの故郷である欧州の共通善』を実践するよう求められています」と強調され、「欧州と欧州を構成する国々は互いに反目してはいない。そして未来の建設は、統一ではなく、多様性を認め合いつつ、絆を強めていくことを意味するのです」と説かれた。

*愛は、寄り添い、分かち合うことだ

 最後に、教皇は、European Catholic Social Daysのロゴに使われた「トゥールの聖マルティヌス」に注目された。この聖人は、貧しい人に施すために、自分のマントを二つに切った。「愛は、寄り添い、分かち合い、他人を世話することだと、私たちに思い起こさせます」と語られた教皇は、「紛争、飢饉、貧困から逃れようとする非常に多くの兄弟姉妹と一致することは正しく、人間的で、キリスト教徒的な行為です」とされ、欧州に依然として存在する壁は、「歴史的、信仰的、芸術的、文化的な財産への玄関口に変えられる必要がある。友愛に基づく人間の共存が進むように、対話と社会的友情が促進されねばなりません」と訴えられた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2022年3月19日