◎教皇連続講話「老年の意味と価値について」③年配者には、神がノアに託された役割がある

(2022.3.16 バチカン広報)

 教皇フランシスコは16日の水曜恒例の一般謁見で、「老年の意味と価値について」をテーマにした連続講話を続けられ、要旨次のように語られた。

 「老年の意味と価値について」をテーマにした講話で、今回は、新しい世代へ人生の真の持続的な価値を引き継ぐ際の、高齢者の重要な役割を考えたいと思います。

 聖書の最初のページで、神は、暴力と邪悪が地に広がったことで堕落した「ご自身の創造物の善なる姿」を取り戻す仕事を年配のノアに託されます。人類に決定的な救いと霊的な刷新をもたらす神の王国がやって来るとみ、回心するように私たちに注意を与えるために、イエスご自身が「ノアの日々」について語ります。

 あらゆる時代において、ノアの時代のように、私たちは、罪と堕落を当たり前のように受け入れ、貧しい人々の不当な苦しみと、自然環境の破壊から、目をそらす誘惑にさらされています私たちの今の時代で言えば、それは、物質主義的で自己中心的で精神的に空虚な”捨てる文化”です。ノアのような年配者は、こうした危険を人々に警告し、「私たちは神から与えられた創造物の守護者と管理者なのだ」ということを、人々に思い起こさせる役割を果たすことができるのです。

 高齢の人たちが、このことー自分たちに与えられた特別の能力ーを認識し、私たちの世界の将来と新たな創造の夜明けを待ち望み、気にかけ、希望する、新たな”箱舟”を建造するのを助けてくれるよう、ノアの模範と祈りが促しますように。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2022年3月17日