☩「教会の評判を気にすることで、性的虐待被害者の幸せを妨げてはならない」中東欧の会議にメッセージ

Pope Francis

(2021.9.18 By Vatican News staff reporter)

 中東欧のカトリック教会の代表たちによる「聖職者の性的虐待から未成年者や弱い立場にある大人たちを守る会議」が19日から4日間の予定で、ポーランドの首都ワルシャワで開催されるが、教皇フランシスコは18日、会議にビデオメッセージを送られ、性的虐待問題への対応について、今回の会議などを通じて行われる関係者の努力が、カトリック教会と信徒たちの心に真の、信頼に足る変化をもたらすよう、強く期待された。

 会議は、バチカンの未成年者保護のための委員会とポーランド司教協議会の共催で、「神の子供たちを守る私たちの共通の使命」をテーマにし、この地域の20か国の司教、修道会代表、専門家が参加する。

*真の、信頼に足る変化が必要

 ビデオメッセージの冒頭、教皇は、教会関係者たちによる未成年に対する性的虐待が引き起こした危機に対して、これまで教会が行ってきた対応を振り返り、教会が直面しているこの深刻な危機の適切に対応する方法について議論を深めようとしていることに強い関心を表明。

 まず、教皇が2019年2月に招集した世界司教協議会会長会議でのご自身の講話で、「教会組織への評判に対する誤った懸念を抱くことで、虐待被害者の幸せの回復が妨げられることのないように」と注意を与えられたことを思い起こされた。そして、教会の評判を真っ先に考えるのではなく、 「こうした邪悪な慣行に真摯に向き合い、被害者たちに心からの赦しを求めることによってのみ、教会は、助けを求める人たちが安心して迎えてもらえる場、としての信頼を取り戻すことができるのです 」と強調。

 さらに、「私たちの悲しみの表現は、さらなる性的虐待の発生を防ぎ、他者に信頼してもらえる、真の、信頼に足る変化をもたらす具体的な改革の歩みに変えて行かねばなりません」とされ、「被害者たちの叫びに耳を傾け、お互いに、そして、より広い意味で社会との間で、議論に専心してください。中東欧だけでなく、キリスト教徒の心の将来につながるものとなるように。これは私たちの責任です。このような困難な時代に、責任を感じて努力しているのは、あなた方だけではありません」と参加者たちを激励された。

 

*私たちの過ちを認める

 また、教皇は、「私たちの過ちや失敗と向き合うことで、自分たちが脆弱で壊れやすい存在だと感じる可能性が確かにあります。しかし、過ちや失敗を認めることは、『素晴らしい恵み』であり、『愛と相互奉仕の新しい地平』を開く自我の解放の時、と見なされるべきです。 自分の過ちを認めた時、私たちをそこに導かれたのは主ご自身。ですから、私たちに恐れることは何もありません」と語られた。

 最後に、教皇は、会議参加者たちに「性的虐待の被害者に仕える、主の謙遜な道具」となるよう促され、「自分たちを共通の未来の仲間であり主人公であると考え、お互いから学び、教会が共に未来の課題に向き合うことができるよう、より信仰深く強靭な存在となってください」と訴えられた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2021年9月19日