☩「『統治は奉仕』を忘れた時、”闇”を経験する」国際的信徒組織の管理者たちに

(2021.9.16 バチカン放送)

 教皇フランシスコは16日、バチカンのシノドス・ホールで開かれたカトリック信徒による国際的な団体・組織・運動・共同体の管理・調整者の会合に、挨拶を送られた。

 教皇は参加者たちに、「信徒による組織の宣教的な力、その預言的な存在は、未来に希望を与える」と感謝された後、今年6月に教皇庁信徒・家庭・いのち省から発表された「信徒による国際組織をめぐる教令」を取り上げ、その意図を説明された。

 教令は、国際的な信徒団体・組織の責任者らの任期と信任の回数、および責任者らを選ぶ方法やそれを選ぶ人々に関する規則を定めている。「信徒団体の管理・責任を負う者は奉仕のために召されています」とされた教皇は、「権力欲や不誠実さに陥らないように、人々が期待するキリスト教的証しの挑戦からはずれ自分たちだけの世界に閉じこもることがないように」と注意された。

 そして「『統治とは奉仕』という原則を忘れた時、闇を経験することになります」と警告され、「捜査や調査で醜悪な罪が明るみに出され、困難に陥った修道会や団体」があったことを思い起こされた。さらに、「あらゆる悪用の根源は、権力の悪用にあります。組織の病いは、創立者のカリスマが弱まった時にも起きることがある」と指摘され、組織内に生まれる不平等の原因の例として、「責任者たちが、選挙の票と引き換えに何かの約束をしたり、自分だけが創立者のカリスマの真理を保持していると思い込むこと」などを挙げられた。

 教皇は、「組織の健全な運営のために、責任職にある人々や選挙に伴い構成された管理メンバーの交替は、有益で必要なことです」と強調。創立者について、「歴史的存在で堅固な伝統に結びつく創立者」と「健在あるいは近年の創立者」を区別しつつ、「それぞれの立場から創立者のカリスマを再確認し、古い創立者である場合、会則など変更が必要なものは検討し、組織がまだ創立期にある場合は、そのカリスマを吟味し続けることが大切です」と指摘された。

 最後に、「組織が自分たちの中に閉じこもり、安心し、いかなる挑戦も変化も必要ない、と思いこむことがないように」と注意され、「常に歩み、常に識別する姿勢」の重要さを強調された。

(編集「カトリック・あい」)

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2021年9月18日