☩「戦争が人類を歴史から消し去る前に、人類の歴史から戦争を消し去れ」教皇が訴え

Local residents sit on a bench in the besieged city of MariupolLocal residents sit on a bench in the besieged city of Mariupol  (ALEXANDER ERMOCHENKO)

(2022.3.27 Vatican News Christopher Wells)

   ロシアがウクライナに軍事侵攻を始めて1か月経ったが、教皇フランシスコは27日の四旬節第4主日の正午の祈りの中で、改めて、攻撃の即時停止を訴え、「戦争が人類を歴史から消し去る前に、人類の歴史から戦争を消し去るように」強く求められた。

 教皇は、「すべての戦争と同様に、ウクライナでの『残酷で無意味』な戦争は、今や2か月目に入りました。戦争の長期化は、人類すべての『敗北』を意味します」と強く非難され、このような野蛮で、罪もない人に犠牲を強いる戦争行為は「現在の社会だけでなく、未来の社会も破壊する」と警告。

 また、ウクライナの子供たちの半数が現在、家を離れることを余儀なくされている事実を示され、「これが未来を破壊することの意味。私たちの中で最も小さく、最も罪のない子供たちの生活に甚大なトラウマを引き起こしています」と嘆かれた。

 さらに、教皇は、「戦争は避けられないもの、としてはなりません。私たちは戦争に慣れるべきではない。今日の蔑視を明日への誓いに変える必要があります」とし、世界のすべての政治指導者に対して、戦争に終止符を打つことを誓うように求められた。

 「自滅の危険の前に、戦争を捨てる時ー戦争が人類の歴史を消し去る前に、人類の歴史から戦争を消し去る時ーが来たことを人類が理解しますように!」

 教皇は、特に「痛め続けられているウクライナ」に目を向け、関係する国々の指導者たちに、「日々の戦闘がすべての人にとって状況を悪化させることを認識するように」と強く求め、「もうたくさんです!戦争を止めなさい!武器が沈黙するように。平和の回復に、皆で真剣になりましょう!」と訴えられた。

 最後に、教皇は25日の「聖母マリアの汚れ泣き御心のロシアとウクライナの奉献」を思い起こされ、全世界の信徒たちに、改めて、「平和の女王マリア」に祈りを捧げるよう促され、アベマリアの祈りを共に唱えられた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2022年3月27日