◎教皇連続講話「老年の意味と価値について」⑤「年を取ると肉体的感覚は鈍るが、聖霊が精神的な感覚を研ぎ澄ましてくれる」

(2022.3.30 )

 教皇フランシスコは30日、水曜恒例の一般謁見で「老年の意味と価値について」をテーマとする連続講話を続けられ、「福音書に書かれている高齢のシメオンとアンナをすべての年配者の模範としてどのよう生かしていくか」を考察された。

 教皇は、「年配者たちは、神の約束の成就に対する信仰と信頼の個人的な証人となり、それによって世代間の架け橋を築くよう求められています」とされ、「年を取ると、私たちの肉体的感覚は鈍くなりがちですが、人生のこの貴重な時期に、聖霊は私たちの精神的感覚を研ぎ澄してくれます」とも語られた。

 そのうえで、「キリストの臨在と霊的の賜物を認識し、横論で受け入れることのできる年配者を、私たちの社会はどれほど必要としていることでしょう」と述べ、「快楽で有頂天になり、”永遠の若者”の幻想を育てるむ社会は、『信仰、知恵、思いやり、そして困っている人々の世話』という本質的な精神的価値に、容易に麻酔をかけてしまいます」と警告。

 「年配者の生きざまと証しは、この精神的な価値の基盤を確保し、私たちの日々の暮らしにおける神の存在を識別し、世代から世代へ神の救いの計画を伝えていくことの重要性を教えてくれるのです」と強調された。

(バチカン広報発表の要約版を「カトリック・あい」が翻訳)

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2022年3月30日