☩「心の耳を開き、人々の苦しみの声を聴くように」-「貧しい人のための世界祈願日」ミサで

教皇フランシスコ 2022年11月13日「貧しい人のための世界祈願日」のミサ バチカン・聖ペトロ大聖堂教皇フランシスコの「貧しい人のための世界祈願日」のミサ(11月13日、バチカン・聖ペトロ大聖堂 =Vatican Media)

(2011.11.13 バチカン放送)

 カトリック教会の「貧しい人のための世界祈願日」の13日、教皇フランシスコがバチカンでミサを捧げられた。

 祈願日は、教皇フランシスコによって創設。毎年、典礼暦の年間第33主日に記念され、今年で第6回目を迎えた。

 バチカンの聖ペトロ大聖堂で捧げられた貧しい人々のためのミサには、ホームレスの人々や難民・移民などローマ教区のカリタスや諸団体の支援を受けている人々も多数参加した。

  教皇はミサ中の説教で、この日読まれたルカ福音書の一節(21章5-19節)を取り上げられた。この箇所で、イエスは神殿の外見的な美しさに見とれている人々に、その崩壊の時と終末の徴について予告している。

 教皇は、「この世のすべてのものと同様、人の手で築かれた神殿は滅びるが、重要なのは、今、生きている時のしるしを識別し、歴史上の様々な出来事の中で福音の弟子として留まることです」と語られた。

 そして、時のしるしの識別に役立つものとして、この箇所でイエスが言う「惑わされないように気をつけなさい」(ルカ福音書21章8節)、「それはあなたがたにとって証しをする機会となる」(同13節)という2つの言葉を示され、「イエスの言葉は、この世界祈願日において、私たちの塞がれた心の耳を開き、弱い立場にある人々の苦しみの叫びを聞くように、との警告です」と指摘。

 「今日の世界で見られる暴力や、不正義、迫害、また新型コロナの世界的大感染や、気候変動、戦争などの危機、難民や移民、失業者らの苦しみを前に、もし、私たちの心が反応しないなら、人々の苦悩の叫びを聞き、その悲しみを分かち合うことはできないでしょう」と注意された。

 また、イエスが「惑わされないように気をつけなさい」と言われるように、「こうした危機の中で、安易な解決をうたうポピュリズムや、利益の名のもとに一部の人を富ませ、貧しい人たちを隅に押しやる”偽のメシア”に惑わされてはなりません」と強調され、「それはあなたがたにとって証しをする機会となる」というイエスの教えに従い、「闇の中に希望の光を灯すことで、福音の喜びを証しし、兄弟愛に満ちた世界を築いてもらいたい」と信徒たちに願われた。

 教皇はこのミサに続き、日曜正午の祈りの集いを行われ、その後、バチカンのパウロ6世ホールで貧しい人々と昼食を共にされた。

(編集「カトリック・あい」)

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2022年11月14日