*「橋の都」
続いて教皇は、「橋の都」であるブタペストに関連して、「(ドイツ南部から、ハンガリーなど中欧、東欧諸国を経て、黒海に注ぐ) ドナウ川には、国と国を結ぶ架け橋が27も作られている。そして、各国が独自性を損なうことなく、すべての国に貢献が求められているのです」とされ、「このハンガリーで効果的な政策が実施されることで、『イデオロギーの植民地化』『超国家主義』を排し、人間と人々を中心に置いた欧州、国々が構成員一人ひとりの独自性と成長を守る一つの家族となる欧州を構築出来たら、どれほど素晴らしいことでしょう」と強調。
「非常に多くの異なった現実を結び付ける”橋”は、信仰一致の取り組みにもたとえられます。そこでは、さまざまな宗派が摩擦なく共存し、互いに敬意を持って建設的な協力を進めるのです」と付け加えられた。
*「聖人の都」
教皇は、ブダペストが「聖人の都」であることについて、「欧州のキリスト教徒が完全な交わりを持っていた時代」に生きたハンガリーの初代国王、聖イシュトヴァーンに注目され、「聖ステファノが『愛の実践は最高の幸福につながる』と宣言するとき、真のキリスト教精神を示しています… これは他者に対してオープンであることの必要性を表現してもいます。そして、ハンガリーの憲法は、「私たちは、他の人々の自由と文化に敬意を払い、世界のすべての国と協力することに努める。同様に、私たちと共に暮らすさまざまな民族は、ハンガリーの政治共同体の一部を形成し、国家の構成要素である」と明記し、 「ハンガリーに住む民族の言語と文化を促進し、保護する」ことを約束しています」と指摘された。
さらに、「信仰の証しと共に、自らをキリスト教徒であることを告白する人は、証しするように、福音によって励まされた人間主義を皆と共に育て、父の愛された子供であることを認め、兄弟姉妹としてお互いを愛し合う、力となるように求められています」とされ、「聖ステファノは息子に兄弟愛に関する素晴らしい言葉を残しました-『異なる言語と習慣を持ってやってくる人は、国を飾る』と。 同様に私たちも、紛争、貧困、気候変動から必死に逃れようとする多くの兄弟姉妹の中にキリストがおられることを頭に浮かべます。そして、特に、イエスを信じ、福音の証人の模範に倣いたいと願う人々の対応が求められているのです」と強調された。
講話の最後に教皇は、「さまざまな信条を持つ非常に多くの正義の人々」と共に、パンノニア サクラの信仰の偉大な告白者すべては「あなたの国の父であり母である。 彼らにこの国の未来を託したいと心から願っています」とされ、ハンガリー語で「 Isten, áldd meg a magyart!(ハンガリーの人々に神のご加護がありますように!)」と祈られた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)