☩「”仮の状態”を好む文化に対抗し、自分のすべてをもって愛することは真の革命」ースロバキアの若者たちに

(2021.9.14 バチカン放送)

 スロバキア訪問中の教皇フランシスコは14日、東部コシツエの競技場で、全国から集まった2万5千人以上の若者たちとの集いに出られ、歌や演奏、歓呼の声で迎えられた。

 集いでは、第二次世界大戦中、貞潔を守るためにソビエト兵に抵抗し、殺された福者アンナ・コレサロヴァ(おとめ殉教者、1928-1944)が思い起こされた。福者アンナは、2018年9月にこの競技場で列福式が行われている。

 また、代表の若者たちがそれぞれの信仰体験を語り、教皇の助言を求めたが、ある若い夫婦は、「2人が出会った頃、福者アンナ・コレサロヴァの墓に一緒に巡礼に行った」というエピソードを語り、「福者アンナのおかげで、貞潔の価値を再発見し、婚約中もその価値を守りました」としたうえで、「今日の若者たちが貞潔な愛の価値を信じるにはどうしたらいいのでしょうか」と教皇に尋ねた。

 これに対して、教皇は、「愛は人生で最も大きな夢であり、素晴らしいものですが、決して容易ではない。見かけにとらわれない、新しい眼差しが必要です」とされ、「愛を、ありきたりのものにしてはいけません… なぜなら、愛は、情熱や感情だけではなく、忠実、恵み、責任でもあるからです」と説かれた。

 また教皇は、「一時の”仮の状態”を好む今日の文化に対抗して、一生を賭けて自分のすべてをもって愛することは、真の革命ともいえること」と語り、「イエスの十字架に、無限の愛と、最後まで自分の命を与え抜く勇気を見つめるように」と勧められるとともに、福者アンナを、「私たちに、高きを目指すよう呼びかける愛の英雄」として示された。

 ある若い女性は、「告解の体験を通して人生が変わりました」とし、「その時、イエスが十字架に掛けられたのは、自分のためだ、と言うことが分かりました」と振り返った。そして、「どうしたら、若者たちが、神の慈しみに顔を向けることができるでしょうか」と質問。

 これに対して、教皇は、若者たちに「皆さんが告解に行く時に、何を考えていますか」と問いかけた。

 そして、「きっと皆さんは告白すべき罪のことを考えているでしょう。だが、赦しの秘跡の中心にあるのは罪でしょうか。中心にあるのは、罪ですか、それともすべての罪を赦される御父ですか」と尋ねつつ、「懲らしめを受ける者のように告解に行くのではなく、御父の抱擁を受けるために、駆け寄る子のように行くべきです」と説かれ、「神は、私たちをあらゆる状況から引き上げ、私たちのすべて罪を赦してくださいます」と、若者たちを勇気づけられた。

(編集「カトリック・あい」)

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2021年9月15日