☩「人間の尊厳中心の食料システムを」国連食糧プレサミットへ

教皇フランシスコ、国連食料システム・プレサミットにメッセージ

(2021.7.26 バチカン放送)

 教皇フランシスコは26日、ローマで始まった国連食料システム・プレサミットにメッセージをおくられた。

 アントニオ・グテーレス国連事務総長に宛てたメッセージで、教皇は、貧困や資源の搾取など、人類家族を脅かす不当なシステムが、パンデミックのもとにより明らかにされる中、このサミットが持つ重要性を指摘された。

 メッセージで、教皇は食料問題について、「技術による食料増産だけに努力を集中することは、(注:農地など)自然の消耗や、基本的人権の侵害、物的・精神的な”砂漠化”を招きかねません」と警告し、それを超えた根本的な食料システムの変革をアピールされた。

 さらに、「食料システムは、環境と地域の文化の点からも持続可能なものでなければならない」とされ、「飢餓撲滅」という目的に対し、「単なる生産的観点からではなく、人間の尊厳を中心に据えた、新たなメンタリティー、アプローチ、計画によって到達する必要があります」と訴えられた。

 また、小規模農家や農業従事者の家族への配慮を願うとともに、「最も貧しい農業地帯の女性や若者たちの必要に応えるように」希望され、貧しい人をはじめ、すべての人々に「食料と水、医薬品、そして仕事が欠けることのない世界」を実現するために、すべての人に責任ある取り組みを呼びかけられた。

 国連食料システム・サミットは、国連が提唱する持続可能な開発目標の達成に向け、そのカギとなる食料問題についてシステムの転換を話し合う国際会議。今年9月に米ニューヨークで開かれるが、プレ・サミットはそれに先立つもの。28日までローマで開かれる。。

(編集「カトリック・あい」)

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2021年7月27日