☩「主は裁かれ、赦してくださる、私たちも倣おう」ローマ郊外の刑務所で聖木曜日・主の晩餐ミサ

(2022.4.14  Vatican News staff writer)

   教皇フランシスコは聖木曜日の14日夕、ローマ北部の港湾都市チビタベッキアの新しい刑務所の聖堂で、「主の晩餐」のミサを奉げられ、受刑者をはじめ、看守、職員、それにイタリア政府から法相が参加した。

 教皇は説教で、ミサの中で行われる洗足式について、この式のもとになっている「イエスが自分を裏切る卑怯者の足を洗った」と記した福音書の箇所は、「世間一般の人々にとって、おかしなことだ、と思われたかも知れません。奴隷の仕事だからです」とされたうえで、イエスは、このような、なさり方を通して、「互いの足を洗い合わねばならない…見返りを期待せず、互いに仕え合うように、と私たちに教えてくださるのです。日々、全ての人に対して、このようなことが出来たなら、何と素晴らしいことでしょう」と語られた。

Pope Francis in the chapel of the Civitavecchia prison

 さらに、「イエスは、ご自分を裏切った者に対しても『友よ』と呼びかけ、最後まで戻ってくるのを待ち、すべてを赦されます… 神は全てを赦されます、いつも赦されます。それなのに、赦しを求めるのに疲れてしまうのは私たちの方です」、そして「私たちは皆、長い間、心の中に何かを持ち、イエスに赦しを願います」と語られた。

 また、教皇は「主は裁きを下されますが、それはおかしな裁きのように見えるかもしれませんー主は裁かれ、赦してくださるのです… ですから、互いに仕え合い、赦し合おうとする熱意をもって、主に倣うように」と参加者たちに説かれた。

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 説教の後で洗足式に臨まれた教皇は、奉仕と謙遜を込めた愛のしるしとして、弟子たちの足を洗われたイエスに倣って、さまざまな年齢、国籍の男女受刑者12人の足を洗われた。

 ミサ後に、刑務所長は教皇に感謝を述べ、チビタベッキアの古代の港の版画、受刑者が畑で収穫した野菜、職員と受刑者が製作した作品を贈った。この後、教皇は別室に案内され、受刑者、職員などの代表者50人と挨拶を交わされ、バチカンの宿舎にお戻りになった。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2022年4月15日