教皇フランシスコが11日、聖ペトロ大聖堂で第二バチカン公会議開始60周年記念ミサを捧げられ、説教の中で、「イエスが、聖ペトロに言われた言葉ー「私を愛しているか?私の羊を養いなさい」(ヨハネ福音書21章15節)ーは、私たち、教会としての私たちにも向けられています」と語られた。
説教で教皇はまず、ヨハネ福音書に書かれたイエスのペトロに対する問いかけー「私を愛しているか?」を取り上げ、第二バチカン公会議は、この問いかけに対する「素晴らしい一つの答えだった」と指摘。
「教会の主への愛を、再び燃え立たせるために、カトリック教会は、その歴史の中で初めて、自身を点検し、自身の本質と使命を熟考するために、公会議を捧げたのです」と説かれ、教会を見るために、この公会議から学ぶことのできる 3 つの方法を示された。
*「まず、愛に満ちた神の目で」
それは、まず、神の視点で教会を見ることー「高いところから、神の目で、愛に満ちた目で教会を見ること」である、とされ、自分の視点で教会を見ないよう注意するとともに、”進歩主義”と”伝統主義”のいずれもを不信心であり、「自分たちの好みと計画を神の愛よりも優先するペラギウス的な利己主義の様式」として批判された。
そして、会議開始から60周年の今、「私たちは、第二バチカン公会議が示した情熱を再発見し、この公会議への私たちの情熱を新たにしましょう」と呼びかけられた。
*「羊の群れを養う」
公会議から学ぶ、二つ目の方法として、教皇は、イエスがペトロに言われた「養う」に注目され、「このことが、イエスがペトロに求められた愛です」と言われた。
漁師だったペトロは、イエスによって羊の群れの中で生活し、羊を愛するように呼ばれて羊飼いとなった。この世の中に暮らし、周りに気を配り、他の人々を見下さない…。
「第二バチカン公会議は、何と時宜を得てものであり続けているのでしょう!… 公会議は、私たちが心地よさと確信の中に自分を閉じ込めてしまう誘惑を退けるのを助け、神のなさり方に倣い、いなくなった羊を探し、囲いに戻すうよう、私たちを導いてくれます」と教皇は語られた。
そして、「三位一体の心から湧き出る、私たちの聖なる、階層をなす、母なる教会は、愛ゆえに存在しているのです」とされ、教会の指導者たちに、「自己陶酔に陥る誘惑に抵抗する」よう求められ、「神の民は、”羊飼いの民”、羊飼いは、貧しい人と疎外された人を特別に世話する必要があります」と共著された。
*「教会の全たちを視野に置く」
教会を見るために公会議から学ぶ三つ目の方法は、「全体を視野に置くこと」だ。
説教の締めくくりに、教皇は、教会における一致を強く訴えられるとともに、「神は、私たちが全体を見ることを望んでおられます。そして、これが、教会を見る三つ目の方法です」とされ、教会の指導者たちに、すべての人たちの奉仕者となる代わりに、特定の者をひいきにする傾向があるのを嘆かれた。
そして、「私たちは神の羊、神の羊の群れ。私たちは一緒になり、一つになることで、そのようになることができるのです。あらゆる分極化に打ち勝ち、自分たちの交わりを持ち続けましょう」と訴えられた。
最後に、教皇は「第二バチカン公会議の賜物」を主に感謝し、「自分で何でもできるという思い込みと、俗物的な批判の心から、私たちを自由にしてくださいますように。そして、自己陶酔の影から私たちを導き出し、悪魔の業である分極化から私たちを救ってください」と祈られた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)