◎教皇連続講話「使徒的熱意について」㉓聖シャルル・ド・フーコー は、イエスを沈黙のうちに振る舞うようにさせる

   教皇フランシスコは18日の水曜恒例一般謁見で、「使徒的熱意について」の連続講話を続けられ、今回は、聖シャルル・ド・フーコーがサハラ砂漠で行った喜びに満ちた証しについて考察された。

  聖シャルルは司祭で探検家、地理学者。1858年にフランスのストラスブールで生まれ、フランス軍の兵士として勤務した後、アルジェリアでトゥアレグ族と共に行動し、彼らの文化を調査するなどしていたが、1916年に暗殺された。

 教皇は、「この聖人は、イエスと最も貧しい兄弟姉妹たちに自己の人生の情熱を傾けました。 回心後、聖シャルルは洗礼を受けていない友人への手紙で『ナザレのイエスに心を失った』と書きましたが、それは福音宣教の第一歩が『心の中心にイエスを置くこと』だということを示しています」とされ、 「これが起こらなければ、私たちは自分たちの人生で、それを示すことはほとんどできません。自分自身や私たちのグループ、道徳、さらに悪いことに一連の規則について話すリスクは冒しても、イエスや彼の愛、慈悲について話すリスクは冒さないのです」と指摘。

 

 

*沈黙の中で福音を叫ぶためにサハラ砂漠へ

 さらに教皇は、「聖シャルルは、『イエスに惹かれる』ことから、『イエスに倣う」ことに移行し、自分を主の弟のようにさえ感じるようになりました。そして、『沈黙のうちに福音を叫ぶ』ために、トゥアレグ族の中で暮らそうと、サハラ砂漠という最も辺鄙な場所まで出かけました」。そして、「彼は『聖体の命』が福音をもたらすと確信し、イエスに沈黙のうちに振る舞わさせました。確かに、彼は『キリストが最初の福音宣教者だ』と信じていました。イエスが福音宣教の働きを遂行してくださることを信頼し、幕屋の前で1日最大12時間、祈りを捧げたのです」と強調された。

 

 

*柔和の使徒職

 続けて、「聖シャルルは、信徒の福音宣教の使命を強調することで第二バチカン公会議を予見していました」と述べ、「すべてのキリスト教徒は使徒であり、司祭は慈善活動に近い気持ちで福音宣教のできる信徒を身近に持つ必要がある、と書いています」とされたうえで、信者たちに、「ひざまずき、聖霊の働きを喜びを持って受け入れることで、福音宣教への呼びかけに応じるように」と促された。

 そして、「 聖チャールズは、『柔和の使徒職』を通して、すべての人にとって「普遍的な兄弟」になりたい、という願望を通して、福音の素晴らしさを伝えました。こうして人々と結んだ絆が、徐々に、友愛、包摂、相手の文化への感謝を生み出したのです。彼の善良さは単純素朴であり、常に笑顔を見せることを恐れない単純素朴な人間になることを、私たちに求めています」と説かれた。

*笑顔で、素朴な振る舞いで宣教した聖シャルルの生き方に倣おう

 講話の締めくくりとして、教皇は、聖シャルルに倣い、「キリスト教的な喜び、キリスト教的な柔和さ、キリスト教的な優しさ、キリスト教的な思いやり、そしてキリスト教的な親密さを持って生きるように」と、すべての人に呼びかけられた。「シャルル兄弟は笑顔で、素朴な振る舞いで福音を証ししました。  福音宣教は、決して改宗を通して行われるのではなく、証言を通して、魅力を通して行われるのです」。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
2023年10月18日