☩「神の喜びと交わりへの招待に”はい”と答えよう」教皇、年間第28主日の正午の祈りの説教で

Pope at AngelusPope at Angelus  (Vatican Media)

(2023.10.15  Vatican News  Thaddeus Jones)

   教皇フランシスコは年間第28主日の15日の正午の祈りの説教で、この日のミサで読まれたマタイ福音書でイエスが語られた「婚礼の祝宴」のたとえ話(22章1節以降)を取り上げられた。

 そして、「神のこの招待を受け入れるかどうかの選択は「私たちの自由な判断に任せられていますが、イエスは(子のたとえ話を使って)、私たちが永遠の喜びと神との交わりに入ることができるように『はい』と答え、人生の中に常に神のための場を確保するように勧めておられるのです」と強調された。

 この日の説教で教皇はまず、「(イエスが語られたこのたとえ話に登場する)王は善良な性格の持ち主です。なぜなら、誰にも婚礼の祝宴への出席を強制せず、招待を受けるかどうかの判断は彼らに任せているからです。 全員が招待されている-これが神が、私たちとの交わりのために用意してくださった祝宴です。私たち全員が神に招かれているのです」と語られた。

 そして「 神なる父が私たちに提供してくださるこの種の関係は、服従の関係ではなく、父親と息子の関係であり、私たちに自由を全面的に尊重してくださいます。神は、決して(ご自分へ招きを)押し付けたりはされません」と述べられた。

 また、このたとえ話で、王は、家来たちに、祝宴に招いた人々を二度、呼びに行かせたが、人々はそれを無視したり、一人は畑に、一人は商売に出かけたりしてしまう。

 教皇は「これが人々が『ノー』と言えるこのたとえ話がどれほど深刻なものであるかを示しています。しかし、そうした人々の拒否に対して、神は大きな忍耐と寛大な心をもって再び招き、祝宴への参加の機会をお与えになります」とされ、「私たちの父である神は、諦めず、私たちを誘い続けます。貧しい人々の中から招待を受ける人が見つかるまで、招き続けられるのです」と強調された。

 続けて教皇は、「私たちは、自分のことばかりに神経を集中し、神の招きを見たり聞き入れたりすることができなくなる可能性があります」と指摘。「私たちは、神のために自由な時間を作らねばなりません。自分自身を自由にし、心を軽くし、癒しを受ける時間を見つける必要があります。そうすることで、私たちの心に平和、自信、喜びがもたらされ、悪や孤独、人生の意義の喪失から救われます… ミサで神の御言葉を聞き、祈りるだけでも、貧しい人、病人、孤独な人など助けを必要としている兄弟姉妹を慰め、助ける活動、互いの話に耳を傾けることによって、主のための場を作ることができます」と述べられた。

 最後に教皇は、信者たちに、「神の招きに、どう応えればいいか? 日常生活の中で、どれだけ神のためにスペースを割いているのか? そして、主の招きに応えて、助けを必要としている兄弟たちを助けることよりも、自分自身のことにもっぱら気を配っていないか?」と自問するように勧められ、「そうすることで、私たちは、真の充実感と幸福を見つけることができるのです」と語られて説教を締めくくられた。そして、聖母マリアに次のように祈られた- 「『はい』と言って神の居場所を作られたマリアが、私たちが神の招きに耳を貸さないことのないよう、助けてくださいますように」。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2023年10月15日