(2023.10.15 Vatican News Linda Bordoni)
教皇フランシスコは年間第28主日の正午の祈りで、イスラエルとパレスチナの戦闘行為を直ちに停止するよう緊急の要請を行い、「戦争は常に敗北」という自身の信念を改めて表明するとともに、世界のすべての信者に対し、来週17日に聖地の教会が行う祈りと断食に参加するよう呼びかけられた。
教皇は、「私は、大変な痛みをもって聖地の状況を見守っています。特に子供たちと高齢者のことを思っています」と語られ、 「(ハマスがガザ地区に監禁している)人質の解放を改めて求めるとともに、子供、高齢者、女性、そしてすべての民間人が紛争の犠牲者にならないよう強く要求します」と訴えられた。また、「ガザ地区では人道回廊を確保し、全住民を救出することが緊急に求められたいます」として、人道法規の尊重を改めて呼びかけられた。
教皇は「各地の戦乱ですでに多くの人が亡くなっています。聖地でもウクライナでも、他のどこでも、これ以上罪のない血を流さないでください。戦争は常に敗北です!」と強調。
そして、来週17日の聖地の教会の平和のための祈りと断食の日に参加するよう、世界のすべての信者に呼びかけられ、 「祈りは、憎しみ、テロ、戦争という悪魔の力に対抗するための、相手を傷つけることのない、神聖な力です」と言明された。
ガザ地区では15日の日曜日、現地の医療関係者たちが、「イスラエルによる空爆と爆撃を受けて負傷者でいっぱいの病院で、燃料や必需品が絶望的に不足しており、数千人が死亡する可能性がある」と警告した。
7日のハマスの致命的な攻撃に端を発した戦争で予想されるイスラエルのガザ地区への全面地上攻撃を前に、一般のパレスチナ人は食料、水、安全を見つけるのに苦労している。戦闘勃発以来、15日現在で、2329人のパレスチナ人が殺害され、ハマスの7日のロケット攻撃などで民間人主体の1300人以上のイスラエル人が殺害されている。