(2023.10.11 Vatican News By Devin Watkins)
パレスチナのイスラム過激派、ハマスの攻撃で始まったイスラエルとの激しい戦いは今も続き、11日現在で双方合わせて2000人を大きく超える死者が出ているが、教皇フランシスコは11日の水曜恒例一般謁見で、聖地の平和を訴え、「イスラエルには自国を守る権利がある」ことを認めつつ、「暴力は正義に基づいた永続的な平和の実現に貢献できない」と断言された。
教皇は、この戦いで双方に多くの犠牲者が出ていることに、深い悲しみを示され、死傷した多くの人々を悼まれ、ユダヤ人が「律法の喜び」を意味するシムチャト・トーラーを祝う日が追悼の日に変わった遺族のために祈り、ハマスに対し、数十人と言われる「人質の即時解放」を求められた。
また教皇は、「攻撃を受けた者には、身を守る権利がある」としつつ、ガザ地区で民間人を主体とするパレスチナ人が直面している、イスラエル側による「完全全面包囲」で多くの罪のない犠牲者が出ていることにも、強い懸念を示された。
そして、「テロと過激主義は、イスラエルとパレスチナの間の紛争解決には役立たず、憎しみと暴力、復讐心を煽り、互いに苦しみを与えている」と強く非難したうえで、ハマス、イスラエルの双方に自制を呼び掛け、紛争の早期解決への努力を求められ、「中東に求められているのは、戦争ではなく平和。正義と対話、友愛への勇気のうえに築かれる平和です」と早期の戦闘停止に向けた対話を呼び掛けられた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)