
(2022.8.22 カトリック・あい)
南米ニカラグアで、独裁色を強めるオルテガ大統領の下で高まる政治・社会的な緊張を背景に、聖職者、カトリック系放送局の閉鎖、市民組織の活動停止、マザー・テレサ創設の女子修道会「神の愛の宣教者会」の国外追放など、オルテガ政権による教会弾圧が強まっている。
このような状況について国連を含む国際社会に批判の声が高まる中で、バチカンは”沈黙”を続けてきたが、教皇フランシスコは21日、年間第21主日の正午の祈りの中で初めてこの問題を取り上げ、強い悲しみと懸念を表明された。
カトリック教会では先週にも、首都マナグアのアルバレス司教はじめ数人の司祭、神学生が、反政府の暴徒集団を組織した疑いで逮捕され、現在の自宅軟禁の状態に置かれ、司教館が多くの警察によって家宅捜査されるなどの事態となっている。
教皇はこのような事態について、「私は懸念と悲しみをもって、ニカラグアの状況を注視しています」とされ、オルテガ大統領を首班とする政権への批判を避けつつ、「開かれた、誠実な対話を通じて、尊重し合い、平和に共存するための基盤を見い出すことができるように」と願われ、「すべての人の心にそうすることへの確固たる意志を燃え立たせる」ように、無原罪の御宿りのマリア、ニカラグアの人々に大切にされている”Purisima”に、執り成しを祈られた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)