◎教皇連続講話・ガラテヤの信徒への手紙 ③「聖パウロの説く福音は唯一つ」

(2021.8.4 Vatican News Christopher Wells)

   教皇fフランシスコは、結腸の手術から1か月目にあたる4日、水曜恒例の一般謁見をバチカンのパウロ6世ホールで再開され、手術前からの、聖パウロの「ガラテヤの信徒への手紙」を題材として講話を続けられた。

 教皇はまず、「福音と宣教の使命に、パウロは熱意を持っています。そして、彼は全てをその宣言に奉げ、福音の他に関心がありません」と語られた。

   そのようなパウロは、「ガラテヤの信徒たちが、戻ることのできないところに向かって、誤った道を歩んでいるのを知って、悲しみと失望を感じます」とされた教皇は、「パウロにとって、福音は四つの点に帰着しますーキリストは私たちの罪の為に亡くなられ… 葬られ… 死者のうちから蘇られ、そして弟子たちの前にお現われになりました。この福音は、すべての人に示された約束と救いの成就を意味します」と指摘。

 「ガラテヤの信徒たちは、福音に顔を背ける恐れがありましたー信仰によって得られる自由を手に入れるのを妨げることで『真の福音をゆがめる』と脅かす説教者に惑わされていたのです。新奇な説を唱える説教者たちは、モーセの律法に従う義務を彼らに課そうとしました」。しかし、聖パウロにとって、「キリストから受けたものは福音以外にはありえません。ですから、パウロがガラテヤの信徒たちに、信仰の基礎を脅かす(そうした説教者を信奉する)共同体から距離を置くように、と厳しい言葉をかけた理由が、私たちには理解できるのです」と教皇は説かれた。

 新奇な説を唱える説教者たちは、善意によって動かされるように見え、「父親たちから受けた伝統への忠実さに触発されたように思われましたが、彼らが『伝統に関して正統的でない』と考えた聖パウロに疑いをかけることを躊躇しませんでした」 。しかし、パウロは、「自身が説く福音が『イエス・キリストの福音であるから、唯一の福音』だと知っています。彼は若いキリスト教徒たちが大きな危機に直面しているのを、目にしていました」と語られた。

 そして、教皇は、「この”善意の迷宮”にあって必要なのは、至高の真理ー三位一体の神、イエスの説話、そして父の愛の啓示との一致ーを把握するために自身を束縛から解放すること」救い出すことなのです」と明言された。

 最後に教皇は、「聖パウロの明確で決定的な言葉は、ガラテヤの信徒たちにとって役に立ち、私たちにも役に立つ言葉です」と締めくくられた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2021年8月4日