◎教皇連続講話「識別について」 ⑥「キリストを発見するために『自分の人生の物語』を読み直そう」

Pope Francis holds his weekly General AudiencePope Francis holds his weekly General Audience 

(2022.10.19 Vatican News  Devin Watkins)

   教皇フランシスコは19日、水曜恒例の一般謁見で「識別について」の連続講話をお続けになった。

 そして、「イエスの隠された足跡を発見するために、私たちの人生の物語をよく読み直すように。そうすることで、彼の足跡の重要なニュアンスや細部を把握でき、これまで隠れていたことを明らかにすることができるようになります」と信徒たちを促された。

教皇はこの日の講話で、「私たちの人生の物語によって、神の隠された行動をどのように明らかにできるか」に注意を向けられ、「私たちの人生は、私たちに与えられた最も貴重な『本』なのですが、残念ながら多くの人が読んでいない。死ぬ前に読むのでは、遅すぎます」と語られた。

*真実は内に宿る

 教皇は、「5 世紀の聖人、アウグスティヌスが、”自分の内”に神を発見する前、何年も”自分の外”に神を求めていたことに、どのように気付いたか」を語っている名著「告白」の言葉ー「自分自身に戻りなさい。 真実は内なる自己に宿る」を思い起こされた。

 そして、「私たちはしばしば自責の念に駆られ、神が私たちの中で働いているのを見ることができなくなります… 自分の過去を読み直すことで、”有毒な”習慣を脇に置き、毎日の出来事のより深い意味を見つけるのを学ぶことができる」とされ、さらに、「私たちは他のことに気づき、人生をより豊かにし、複雑さをより尊重し、私たちの生活の中で神が働かれる慎重ななさり方を理解することにも成功できるのです」と強調された。

 

*良さの隠された沈黙を明らかにする

 続けて、教皇フランシスコは「今の時点ではほとんど重要でないように見える出来事さえ、さらに熟考することで、より深い何かを私たちに明らかにできる… これらの出来事は、私たちの日常生活に”主が蒔かれた貴重な隠された真珠”にたとえられます」と語られた。

 そして、「善は隠され、沈黙しています。ゆっくりと”掘削”を続ける必要がある。神のなさり方は慎重であり、強制されません。それは、私たちが呼吸する”空気”のようなものです。目にすることはありませんが、私たちが生きることを可能にする。そして、それが欠けているときだけ、私たちは、そのことに気づきます」とされ、「人生の物語を読み返せば読むほど、私たちの認識は洗練され、私たちの生活における神の行動を発見しやすくなるのです」と付け加えられた。

*心と心の対話

 講話の最後に、教皇は、「自分の人生の物語を語る相手を見つけるように」と、信徒たちに促された。

 「聖徒たちの人生は、神の友との関わり方に精通するための別の道を提供します」、そして「識別とは、私たちが人生の中で経験する慰めと荒廃を、物語として読むことです… 神について私たちに語りかけるのは心であり、私たちはその言葉を理解することを学ばなければなりません」と締めくくられた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2022年10月19日