・Sr.阿部のバンコク通信 (86)「どんな状況に置かれても、主への信望愛の力で前進したい」

  「ハングする」「フリーズする」という言葉を普段に耳にするようになって久しい。複雑な人間関係、社会組織、高度なAI依存の中でコンピュータやスマホよのうに、私たちの頭も心も体も、麻痺した様に痺れ、思う様に動かなくなることがあります。
 些細なひと言で、自分の全てが奈落の底に堕ちたり、信頼していた友人との関係に亀裂が入り、立ち直れないほどの大打撃を受けることもあります。突然、大切な人を失う喪失感…。壊滅的な自然災害の打撃に大きな苦しみと悲しみ、争い、殺し合うほどの人間同士の争い今日も続いています。

 何という悲しい現実、ロザリオを握りしめて祈る手に、怒りを交えた力が入ります。と同時に、人間の優しさ、人々が差し伸べる心身の慈しみが、苦しみの渦中に凄いエネルギーで癒しと命への励ましをもたらしているのを、感じます。

 地震で被災した現場に、弾丸が飛び交う戦場に、微笑みが生まれるほどの出来事が… ニュースでは流れませんが日々起こっているのです。

 人間には創造主が備えてくださった治癒力、再起動し、立ち上がる生命力があるのですね。この心身のからくりの見事さに本当に感じ入って、心底身震いしてしまいます。

 人生に起こる様々な出来事は、機械のようにリセットし、再起動する、という訳にいかず、悶々と悩み、落ち込むこともあります。でも人には、命と共に備えられた「土壇場に発揮する力」があります。鍼灸治療でツボ(経穴)に針を刺すと体内からモルヒネが出て、痛みを和らげるように、窮地に立ち、苦しみの渦中で発揮される力を信じたいのです。

 何でもありの人生です。創造主にあやかり、どんな状況に置かれても、「死と復活の主」への信仰と希望、愛する力で自分をリセットしながら前進したい-そんな意気込みがこみあげてくる、今日この頃です。

 晴佐久神父様の『きっといい日』より一言いただいて… 「愛読者の皆さんどうかお元気で」❣️(阿部羊子=あべ・ようこ=バンコク在住、聖パウロ女子修道会会員、写真はSr.阿部の自筆の言葉)

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2024年2月4日