・Sr.阿部のバンコク通信 (76)「パッションフルーツ」に込められた意味は

 亜熱帯圏タイ国の果物は、色も姿も珍しく、興味津々、楽しく美味しく味わっています。

 私の好きな果物に、タイ語でเสาวรส(サワロット)、英語で『パッションフルーツ』と言う名の果物があります。厚い卵形の殻に、甘酸っぱい黄色のゼリー状の実入っているのです。เสาวรส

 なぜPassion(受難 )fruit と言うのか、良い折なので、調べてみました。

 和名はクダモノトケイソウ、原産国はブラジル南部。蔓状の多年草でビタミンC、E、A 、特にB群が豊に含まれ、高血圧、貧血防止、血行促進、クエン酸が含まれ免疫力を高める…スーパーフード。

 初めて味わったのは、随分以前友人が差し入てくれたパッションフルーツのジュース、甘酸っぱい香りの良い、黒い種がいっぱい入ったとろとろした黄色の飲物。種も飲むのかしら?変わった名前だなぁと印象に残りました。

 『パッションフルーツ』と呼ばれるのは、花が茨の冠を被せられた受難のキリストの様子を連想させ、宣教師が命名したとの事。印刷植物タグ - Passiflora edulis { 25個入り} - 画像1/3
殻に皺がより始めると、酸味と甘みが程よく食べ頃です。

 もうひとつ、私の好きなキリストの受難にまつわる花『Crown of thorns=茨の冠 』、和名「花麒麟」も紹介しましょう。茎にすごい棘がびっしりあるサボテン科の多年草、ローマ兵が鋭い棘ある茎で冠を作り、キリストに被らせたと言い伝えられています。40度を超える3Fテラスの鉢に、真っ赤な『荊の冠』が咲いています。

 今年の四旬節、主のご受難とご復活の秘儀、格別に身に沁み噛み締めて過ごしています。

 読者の皆様、主のご復活の喜びに満たされます様に、アーメン。

(阿部羊子=あべ・ようこ=バンコク在住、聖パウロ女子修道会会員)

このエントリーをはてなブックマークに追加
2023年4月2日