・Sr.阿部のバンコク通信 (71)アジア司教協議会連盟の総会に日本からも…

 「シノダリティ  ロザリオ月のアジアかな」(前田万葉・枢機卿)

 10月12日から30日まで、アジア司教協議会連盟(FABC)創立50周年記念総会がバンコクで開催されました。会長のボー枢機卿は開催にあたって「アジアの全人口のたった2パーセントしかいないカトリック教徒、少数派ですが、私たちの存在を通してイエスの顔がアジアに存在し続けているのです」と強調されました。

 アジアの22ヵ国から、枢機卿司教122名スタッフ70名、信じる師イエスの名の下に一堂に会する、争い混沌分断の世に、正に「奇跡」と言える出来事です。現状、問題、課題を分かち合い語らい検討し合う。イエスの贖いの感謝のミサと祈りに日々集約され、霊に導かれた現代の聖霊降臨、ゾクゾクするうれしさです。

 若者たちもウェブ上のイエスに出会い、”住まい”を変革、変容させるよう促され、ウェブ上の新しいフロンティアを泳ぎ、ナビゲートする教会になるように、と。”デジタル大陸”の危険に打ち勝つ聖霊の導きを確信して臨む総会…。

 多種多様な歴史文化地理背景、言語… 見事に豊かなアジアは、古くからの信仰と多様な文化の生まれ故郷です。「アジアの教会は貧しい人々、若者、対話の教会です」と、ボー枢機卿は語られました。

 今回の総会はタイ外務文化省の多大な協力により実現しました。総会のニュースはトップでタイ全土に報道され、司教団の小麦色の顔ぶれ、たくましく、力強く、タイの小さなカトリックの群れの凄みが知られるところとなりました。乾杯!

 10月23日には、前田枢機卿、アベイヤ司教、勝谷司教、中村司教様方をお招きして、セントルイスの素敵なチャペルで日本語のミサを捧げていただき、タイ人の日本語課の大学教授も、流暢な日本語で共同祈願に加わりました。

 総会のわずかな間の出来事でしたが、赦しの秘蹟、ミサ、古風タイスキ料理店の2階を貸し切った昼食会、子供たちも家族そろって楽しい出会い語らい、言葉が思うようにならない総会の最中、ホットする一期一会のひとときであった様です。

 言葉に不自由しない菊池司教様が大活躍、「今後のFABCの再構築の宿題をいただきました。モンゴルとか普段出会えない方たちとの接点も持て、韓国の司教団と3年ぶりに会い、会合を再開する約束ができた。日本在住のアジア諸国の兄弟たちを受け入れるだけでなく”Journying Together as Peoples of Asia”のテーマに従う今後の課題を考えて行きたい」と話されました。

 アベイヤ司教様の通訳で参加者の司教様方も大変に刺激を受け、示唆され「やはり言葉は大事ですね」、「どの国にどの司教様がいて、アジアの様子を身近に知りました。親しくなりたくても言葉が交わせず、本当に残念でした」と。

 アジア、世界の人口の60%が住み、都市人口上位8位を占める若い大地。小さな群れイエスの教会が愛と平和を掲げ、師イエスの思いを惜しみなく謙虚に捧げる命の麦粒でありますように

 「私は共にいる」ー 師はそう約束してくださいました。

  詳しくは『カトリックあい』総会の模様、総会メッセージなどを是非お読みいただき、生きた信徒の一員として、読者の皆さん、教会を生き生きとさせてください。編集長の南條さんが全力投球し、関連記事を掲載しています。

(阿部羊子=あべ・ようこ=バンコク在住、聖パウロ女子修道会会員)

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2022年11月3日