・Sr.阿部のバンコク通信 (72)仏教国タイもクリスマス!前国王の誕生日に続いて主のご降誕を…

 待降節に入り、4本のローソクが聖堂に用意されました。毎年工夫して飾られるすてきな雰囲気、主の降誕に心を備えさせてくれます

 タイ国は人口の94%が仏教徒。それも名ばかりではありませ。お寺参り、お布施、施し、善行、奉納、祈り…に励みます。見せびらかすわけではなく、平素、ちまたの私の身近かにその様な市民の姿があり、気持ちが和み嬉しく感じます。

 教会界隈もクリスマスが近づくと、にわかに聖歌の練習や馬小屋造り、と何ともいそいそした雰囲気。私も、主に喜ばれる善行に励み、祈りを捧げて、抜かりなくご降誕の準備をしたいです。

 ここ数年はコロナ禍で、残念ながら取りやめになっていますが、前もって申し込まれた家々に、神父様と青年、子供たち、信徒たちが連れだって、ギターを抱え、幼きイエス様を籠に入れて家庭訪問。聖歌と詩篇を歌い、お祈りを捧げるのです。最後に、神父様から、幼きイエス様の祝福をいただき、家人が用意しているご馳走を一緒に楽しむのです。大勢であるほど家人はうれしく、祝福に満たされます。

 玄関入り口は、靴やスリッパがいっぱい。私の子供の頃の、懐かしい我が家や教会を思い出します。

 12月5日はプーミポン前国王様の誕生日。街中がすてきに飾り付けられ夜は、見事なイルミネーションで賑わいます。亡くなられた後も愛する国王様を偲んで続けられています。

 そして、そのままクリスマスの飾り付けが加わり、仏教国が、キリスト教国に負けぬ盛大なムード… 主のご降誕がとにかく祝われるのですから、うれしいことで、全ての人々の心に救い主の恵の訪れるよう、切に祈ります。

 合掌する手に、心からの願いか込められ、思わず力が籠もるこの頃ですね。馬槽 ( うまぶね )にお生まれになった救い主、イエス様に祈ります。

 愛と赦し、希望と喜びの光を、この世界の隅々に人々の心に灯し給え。アーメン。

 愛読者の皆さま、良き主のご降誕祭をお迎えください。

(阿部羊子=あべ・ようこ=バンコク在住、聖パウロ女子修道会会員)

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2022年12月2日