・FABC総会第二週の討議テーマ「新たな現実」第3日ーポスト・コロナの養成、礼拝と、デジタル司牧、家庭の抱える問題と司牧

(2022.10.19 FABC news PRESS NOTE )

 討議テーマ「新たな現実」第3日のサブ・テーマはまず、「新型コロナ感染終息後の事態における養成、礼拝、デジタル司牧の新しい道を見つける」というタイトルで討議が始まった。た。

 最初の講演者は、マニラの聖トマス大学の神学教授で、FABCの教育と信仰養成の担当者でもあるパブリト・バイバド・ジュニア氏。「信仰に富んだ出会い」を含むあり方の必要性を強調し、「仕事に行く途中で教会の前を通りかかったオートバイの運転手とその家族生活」を例に挙げて、「家族の誠実さを大切にする養成、現実の社会をよく理解して人々に寄り添うことのできる人材の重要性について語った。

 次に、カトリック系のテレビ局 Eternal Word Television Network(EWTN)の地域マネージャーと務めるアレクサンダー・ ロペス氏は、教会のための安全なデジタル・プラットフォームを構築して運用する必要性を訴え、単なる約束ではなく、本当の答えを出すことが求められている、と述べた。

 ボンベイ大司教区のメディア部門、カトリック ・コミュニケーション センターで働いているブリンストン・ カルヴァリョ氏は、福音と愛を広める一助として、デジタルによる教理講習の活用を提案。また、デジタル・ メディアを通じた司牧的訓練、聖職者がSNSに参加することなどの重要性を強調し、「『羊たち』はソーシャル メディア上にある。羊飼いもそうあるべきだ」と訴えた。

 また、マレーシア・シンガポール・ブルネイ司教協議会の会長であるセバスチャン・フランシス司教は、礼拝と養成において、創造的で包括的で橋を架ける手段へのパラダイムシフトがいかに必要であるかを語り、「司祭、修道者、そして一般信徒が、喜び、憐れみ、希望の対話に携わることの価値を強調した。

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 次のサブ・テーマは、「今日のアジアの家庭にとっての課題、アジアの教会がどのように家庭への司牧的ケアに創造的に対応できるか」で、 Worldwide Marriage Encounter Leadership Teamのメンバーであるダニエル夫妻は、家庭生活の価値、その課題、家庭の中心としての夫婦について語り、家庭に対する司牧的ケアの改善策として、養成と訓練の強化、夫婦がそろって奉仕できる仕組みの工夫、家庭生活を充実させる活動などを提案した。

 タイの Christian Family Movementのリーダーをしているマイケル・ピチット夫妻は、家庭が直面している多くの課題、社会的偏見、世代間の関係悪化、経済的不安などについて話し、「教会はこれらの課題が互いに関係していることを認識し、事態を改善する前に癒しが必要であることを認めなければなりません」と述べた。

 三つ目のサブ・テーマは「使徒的勧告『(家庭における)愛の喜び』が効果的な司牧へアジアの教会に提供する機会」。最初の講演者で、中国地域司教協議会の会長でもある台湾・新竹教区のジョン・バプティスト・リー・ケミエン司教は、この回勅をもとにして、「結婚に対する真の、そして絶え間なく変化する課題」を取り上げ、婚前養成の重要性と回勅のタイトルである『家庭における愛の喜び』を目標とすることの重要性を強調した。

 またローマの Accademia Alfonsianaの教授であり、シノドス事務局の神学委員会のメンバーであるビマル・ティリマンナ神父 は、家庭と結婚がいかに教会の大きな関心事であるかについて語り、夫婦の司牧的ケアの重要性を強調し、証しと養成の機会として、結婚と家族のさまざまな事例を例証した。

 各セッションごとに、講演者との質疑応答、よび得られた教訓などについてグループ 討議と考察を行った。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2022年10月24日