・FABC総会第三週の討議テーマ「新たな道を構想する」最終日ーメッセージ、最終文書を採択

(2022.10.29 FABC News  PRESS NOTE)

 FABC総会第三週の討議テーマ「新たな道を構想する」の最終日、29日は、教皇特使として出席しているバチカン福音宣教省のアントニオ・タグレ枢機卿が最初に講演し、今日の若者の新たな状況、ソーシャルメディアと人工知能の現状、それらの福音宣教活動への影響について語った。

 その中で、特に、ソーシャル メディアが、若者の self-identity (主体性)、帰属意識、他者への共感にどのような影響を与え、変化させたか、ソーシャル メディアの速さと限界が推論、批判的分析、共感能力にどのように影響しているか、深く読むことの重要性、および危険性ーデジタル犯罪と(商売を優先する)企業によるメディア独占などーに警鐘を鳴らした。

 その一方で、タグレ枢機卿は、ソーシャル メディアのプラス面として、「単につながりの手段であるだけでなく、新しい人間性を生み出す強力なツール」であることも指摘、「ソーシャル メディアは福音宣教せねばならない世界です」と締めくくった。

 続いて、FABC総会のアジアの人々に向けたメッセージの取りまとめを担当するアドリアアヌス・スナルコ司教が、最終案を提案し、投票の結果、正式なメッセージとして承認された。

 また最終文書についても、策定委員会のヴィルジリオ・デイビッド司教が、原案に対して寄せられた追加提案などをもとに再編集した最終案を説明。これを受けて、全体会議での検討がなされた。最終文書に関する意見交換は、午後の会議でも続けられ、その後、賛否の投票が行われた。

 また、ビル・ラルース神父から、”シノドスの道”の大陸レベルの集まりの具体的な内容についての説明がなされた。

 最後にボー枢機卿は、締めくくりの演説を行い、総会中の恵みを神に感謝した。そして、アジア教会を「貧しい人々、若者、そして対話の教会」と表現し、FABCの設立からこれまで50年間に成し遂げた計り知れない進歩について語り、そして、総会の主催者であるバンコク大司教のクリエンサック枢機卿、会議を総括・指導してくれたグラシアス枢機卿、タイの教会、そしてすべての参加者に感謝を表明した。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2022年10月30日