・「愛の証し・元和の大殉教400年」を今年から来年にかけ、長崎と東京で実施

(2022.2.19 カトリック・あい)

日本の司教協議会は17日まで開いた定例総会で、「愛の証し・元和の大殉教400年」を今年から来年にかけて、長崎と東京で行うことを決めた。

詳細は以下の通り。

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愛のあかし・元和の大殉教400年(2022→23)について

 今年2022年の9月10日 の「日本205福者殉教者」の記念日となる「長崎の元和大殉教」と、来年2023年12月4日の「江戸の元和大殉教」は、ともに400年の節目を迎えます。列聖推進委員会は、この15ヵ月間を「愛のあかし・元和の大殉教400年」として記念し、日本の教会にとって共通の遺産である殉教者の霊性を学び、ともに祈り、殉教者の生き方に倣う機運を高め、福音宣教の力にしたいと思います。

2022年から2023年は、日本の福音宣教にかかわる、いくつかの節目に当たります。
① 聖フランシスコ・ザビエルの列聖400周年(2022年3月12日)
② 日本二十六聖人の列聖160周年(2022年6月8日)
③ 福音宣教省の創設400周年(2022年6月22日)
④ 長崎の元和の大殉教400周年(2022年9月10日)
⑤ キリシタン禁制の高札撤廃 150周年(2023年2月24日) 
⑥ 江戸の大殉教 400周年(2023年12月4日)

 1981年に来日された教皇聖ヨハネ・パウロ二世は、2月26日に長崎でなさったミサの説教で、日本の教会の土台が、殉教者の血の上に据えられた、と語られました。

 また2019年に来日された教皇フランシスコは、日本司教団へのメッセージの中で、次のように述べておられます。

 「死に至るまで信仰を証しした聖パウロ三木などの殉教者、何世代にもわたって信仰を守り続けた長崎の潜伏キリシタンを、私は思い浮かべています、日本の共同体のDNAには、殉教者のあかしが刻まれています。それは、どんな絶望にも効く特効薬であって、私たちに歩むべき道を示してくれます。希望に燃えた種蒔き、殉教者のあかし、時が来れば神が与えてくださる実りを待つ忍耐が、日本の宣教の特徴であり、それは日本の文化と共存しています」

 今こそ、日本の教会は殉教者に耳を傾け、神が日本の教会に与えてくださった特別な救いの恵みを現代の教会で生きようではありませんか。

 神に信頼を置くかぎり、どのような災禍も恐れるには足りません。それどころか危機の時こそ、神のめぐみに出会う好機です。迫害時代のキリシタンは、大迫害に苦しめられていた時でさえ、信者たちは地下に籠もって息を潜めてはいませんでした。役人の目が光る中で、病人を世話し、未亡人や孤児たちを助け、貧しい人々に手を差し伸べていました。

 「神は、あらゆる苦難に際して私たちを慰めてくださるので、私たちも神からいただくこの慰めによって、あらゆる苦難の中にある人びとを慰めることができます」(コリントの教会への手紙2・ 1章4節)。

 今、教会に求められているのは、信頼あふれる祈りに裏打ちされた「一致と連帯」です。それこそ、「分断と不寛容」に打ち勝つきわめて有効な手段でありましょう。日本の教会が、一つの心、連帯する心で真剣に祈り合うことです。心を一つにした祈りをもって連帯し、コロナ禍を乗り越える私たちの姿を希望のしるしに変えて行きましょう。そして、苦難の中で愛を証しした殉教者たちに目を注ぎ、次の50年を見据えた新たな希望の光を見い出しましょう。

列聖推進委員会 委員長  大塚喜直・ 京都司教

(編集「カトリック・あい」=読みやすさ、意味の取りやすさに配慮し、”ひらがな”にしてある部分を当用漢字表記に統一し、また教皇に関しては敬語表記にしました)

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2022年2月19日