・「ロザリオの祈りー菊地大司教とともに」5月の毎週月曜日正午から

(2021.5.2 菊地大司教の日記)

 5月は聖母月です。中央協議会のホームページにはこう記されています。

 「聖母月の信心は近世からのもので、18世紀のイタリアで盛んとなりました。この5月は、四季折々の中で春の訪れとともに自然界の実りをもっとも感じさせてくれ、また主の復活の喜びと希望に満ちた月でもあります。そのような思いをもってこの月をマリアにささげ、マリア崇敬のために祈り続ける信心が伝統としてなされてきたことは当然のように考えられます」

 主キリストのあがないの業の第1の協力者は、十字架の傍らに立ち、イエスの苦しみを共にされた聖母マリアです。それだからこそ、聖母の取り次ぎには力があります。マリア様を通じて私たちが主イエスに達することが出来るように、その取り次ぎのうちに、あがない主への信仰を深めるときにしたいと思います

 特に、現在のように、人類的規模でいのちが危機に直面するような事態にあっては、一日も早い終息と平安を求めて、聖母の取り次ぎを祈ることは、教会の伝統でもあります。

 教皇様は、新福音化推進評議会を通じて、今回の事態にあたり、終息を願って、世界30の聖母巡礼所と連携し、五月中の「ロザリオ・マラソン」を呼びかけておられます。ロザリオの祈りのポイントは、そういった行事(中継は日本の深夜1時ですし)に参加すること自体にあるのではなく、地道に祈ることであり、また心をあわせて祈ることでもあります。

 祈りの一助として、東京教区では、毎週月曜の昼に、ビデオを配信します。いつでも見ていただけるので、ご利用いただければと思いますが、ビデオでは栄えの神秘を一連のみ唱えています。最初に、メッセージを入れます。終わりに教皇フランシスコの祈りを唱えます。一緒に一連でも構いませんし、その後一環までご自分で唱えていただいても構いません。心をあわせて、ともに祈りましょう。

 5月3日、10日、17日、24日、31日の各月曜日お昼に、カトリック東京大司教区のyoutubeチャンネルで配信です。

 以下、5月3日のロザリオの祈りのメッセージ原稿と祈りの意向、教皇様の祈りです。

 ロザリオの祈りは、聖母マリアとともにキリストを観想する祈りです。ルカ福音には、「マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた」と記されています。教皇ヨハネパウロ二世は、「おとめマリアのロザリオ」に、「キリスト者の共同体は、ロザリオを唱えることによって、マリアの思い出と観想のまなざしに心を合わせる」と記します(11)。

 私たちはロザリオの祈りを通じて、聖母マリアとともにキリストを思い起こし、聖母マリアからキリストを学び、聖母マリアとともにキリストの姿に似たものとなります。加えて私たちは、聖母マリアとともにキリストに願い求め、聖母マリアとともに、福音を告げ知らせるものとなります。

 昨年初めから既に一年以上、世界は歴史に残る事態に直面し、多くの人が命の危機に直面しています。日本においても、他国と比較すれば状況はまだ穏やかとは言え、実際に亡くなられた方や、現在も命の危機に直面し、病床にある方も少なくありません。感染対策のため、社会活動は度重なる自粛を余儀なくされ、経済的にも大きな打撃を受けています。

 教会も、感染しないだけではなく、感染を広げて他者のいのちを危機にさらすことのないように、対策を徹底して、その活動を制限してきました。

 私たちは、教会に集まれないからといって、祈りを止めることはありません。今こそ、祈りの力が必要です。命を守るために、私たちは祈らなくてはなりません。

 昨年、教皇フランシスコは、感染症が拡大し多くの方が命の危機に直面している中で、五月中にロザリオの祈りを唱えるように、と招かれました。

 同時に教皇様は、昨年5月17日のアレルヤの祈りで、「感染症が蔓延しているここ数か月、私たちの共通の家を大切にすることの重要性がひとしお切実に感じられます」と述べられ、発表から五年となる回勅「ラウダート・シ」をたびたび引用しながら、将来に向けて、世界的な連帯の絆の中で、この共通の家をどうしたら神が望む姿にしていくことができるのかという視点を持つことの重要性を強調されています。

 まだ終息への道筋が見えない中、教皇様は今年の五月に、世界中の30を越える聖母の巡礼所と連携しながら、この困難を祈りの力で乗り越えることができるように、「ロザリオ・マラソン」を行うようにと、新福音化推進評議会を通じて呼びかけられました。

 東京教区では五月中の毎週一回、月曜日に、栄えの神秘の一連を、メッセージとともにインターネットで配信します。聖母の取り次ぎを求めながら、この5月の間、皆で共に祈りましょう。

 一日も早く、人類が直面しているこの困難な事態が終息するように、また病床にある人たちに癒しが与えられるように、医療関係者の健康が守られるように、経済の悪化で命の危機に直面する人たちに助けがあるように、さまざまな事情によりいのちを守るために助けを必要としている人たち、特に海外から来られた兄弟姉妹に必要な助けが与えられるように、さらに政治のリーダーたちが命を守るための正しい判断をすることができるように。

  そして、すべての人の上に復活の主イエスの守りと導きが豊かにあるように、私たち自身が御子イエスに倣って行動する勇気を持つことができるように、神の母である聖母の取り次ぎを祈りましょう。

 栄えの神秘(日曜日・水曜日)第一の黙想 イエス、復活する

 イエスは死に打ち勝って復活し、新しいいのちをお与えになります。

 マルコ福音書には、イエスの墓が空であった事に加え、天使がマグダラのマリアたちにこう語ったと記されています。

 「驚くことはない。あなたがたは十字架につけられたナザレのイエスを捜しているが、あの方は復活なさって、ここにはおられない。御覧なさい。お納めした場所である。さあ、行って、弟子たちとペトロに告げなさい。『あの方は、あなたがたより先にガリラヤへ行かれる。かねて言われたとおり、そこでお目にかかれる』と。」(マルコ16章6~7節)

 復活の主の新しい命にあずかることは、私たちが古い自分を捨て、新しい生き方へと旅立つことを求めています。この困難な状況の中で、これまでの常識にとらわれることなく、主が求められる生き方へと勇気を持って一歩を踏み出すようにと、私たちは求められています。

 この一連をささげて、私たちが主とともに死んで、その復活にもあずかることができるよう、聖母の取り次ぎによって願いましょう。

教皇フランシスコの祈り

 聖マリア、あなたは救いと希望のしるしとして、いつも私たちの歩みを照らしておられます。

 病人の希望であるあなたに信頼して祈ります。

 あなたは十字架の下で、揺るぎない信仰をもって、イエスと苦しみを共にされました。

 「ローマ市民の救い」*であるマリア、あなたは私たちに必要なものをご存じです。

 私たちはあなたがそれを与えてくださると信じています。

 ガリラヤのカナでなさったように、この試練の後に喜び祝う時が再び訪れますように。

 愛である神の母マリア、私たちを助けてください。

 私たちが御父のみ心に応え、イエスの言葉に従って生きることができますように。

 イエスは私たちの苦しみをその身に負い、私たちの悲しみを引き受け、

 十字架を通して、私たちを復活の喜びに導いてくださいます。

       アーメン。

 神の母聖マリア、あなたのご保護により頼みます。

 苦難のうちにあるわたしたちの願いを聞き入れてください。

 栄光に輝く幸いなおとめよ、あらゆる危険から、いつもわたしたちをお救いください。

(2021.5.2 カトリック東京教区お知らせ)

 3日(月)正午より、「ロザリオの祈り 菊地大司教とともに」第一週を配信します。フランシスコ教皇の「五月中にロザリオ・マラソンを行う」という呼びかけに応え、東京教区では5月中の毎週月曜日に、栄えの神秘の一連を、メッセージとともにインターネットで配信します。聖母の取り次ぎを求めながら、この5月の間、共にお祈りいただければ幸いです。

配信の内容は、ロザリオの前に菊地大司教のメッセージがあり、続いて、「栄えの神秘」を毎回一連ずつ唱える。毎月曜に一連で、今年の5月は5回月曜があるので、1か月でちょうど一環となる。そして最後に、昨年の信徒への手紙に記されていた、教皇フランシスコの祈りを唱えて終わる。その後で、それぞれの場で、一環、またはそれ以上、祈り続けても構わない。

 

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2021年5月2日