・ミャンマーのボー枢機卿、聖母月に平和、正義、一致の回復へロザリオの祈り求める

Myanmar Church is on a rosary and Eucharistic adoration campaign in May for peace in the country. Myanmar Church is on a rosary and Eucharistic adoration campaign in May for peace in the country.   (©kbuntu – stock.adobe.com)

(2021.5.1 Vatican News Robin Gomes)

2月1日に軍事クーデターが発生したミャンマーでは、軍部による弾圧で800人近い死者が出た今も騒乱状態がつづいている。そうした中で5月の聖母マリアの月を迎え、同国のカトリック教会のリーダーであるチャールズ・ボー枢機卿が、平和、正義、一致、そして人間の尊厳が速やかに取り戻されることを主に願うロザリオの祈りと聖体礼拝の月とするよう、司祭、信徒に訴えた。

聖母マリアに主への執り成しを願う祈りは、3日からの第一週は「平和」、第二週は「正義」、第三週は「一致」、そして第四週は「人間の尊厳」に捧げられる。

ボー枢機卿は、司祭、信徒宛ての書簡で、司祭に対しては、聖堂で毎日午後2時半から一時間、聖体礼拝を、午後7時から一時間をロザリオの祈りを行なうよう求め、信徒に対しては、自宅で、聖堂で、あるいは共同体の集会で、祈りや礼拝に参加するように、としている。

 仏教徒が多数をしめるミャンマーで、カトリック教徒は少数派だが、民主政治に逆行する動きに抗議し、平和的解決をもとめる運動に参加し、祈り、騒乱で被害を受けている貧しい人々や遺族に物的、精神的支援を行うなど、積極的に活動している。

 だが、軍部は、民主政治回復を求める人々への暴力的抑圧をやめないばからいか、少数民族やキリスト教徒が多く住むカレン州とカチン州の軍部に反対する勢力への爆撃、砲撃など攻勢を強め、多くの死者や難民を発生させている。

 国連が4月30日に発表したところでは、ミャンマー経済は騒乱とコロナの大感染の中で極度に悪化しており、貧困層が特に大きな打撃を受けている。現地のNPO「ミャンマー政治犯支援協会」によると、クーデター発生以来、4月30日までに、軍の治安部隊に殺害された市民は759人に上り、3485人が拘留されている、という。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

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2021年5月2日