(2021.7.9 Bitter Winter Ruth Ingram)
「ウイグル人権プロジェクト」が収集した2009年7月のウルムチ虐殺事件で行方不明の犠牲者たち
2009年7月、中国の新疆ウイグル自治区などウイグル人の工場労働者が殺害されたこと対する抗議行動が当局によって無視され、行動が激しさを加えた。これに対して、当局は軍隊を出動させ、何百人ものウイグル人が殺害され、生存者と思われる人も含めて車両に積み込まれ、行方不明となった。
今週、中国の弾圧・虐待から逃れるために新疆ウイグル自治区などから海外に脱出した数千人のウイグル人が世界各国で集会を開き、13年前に同自治区で起きた中国当局によるこの大量殺害事件を追悼、自治区で激しさを加える中国当局の弾圧・迫害を止めるよう国際社会に訴えた。
ドイツ・ミュンヘンでの追悼・抗議集会
東京での追悼・抗議集会
またマフムット氏は、2009年7月の集団虐殺事件に対してこれまでの国際社会の「無関心と沈黙」を非難し、「この事件は、世界に対して、目覚めるように、との呼びかけであるはずだったにもかかわらず、世界中の人が目を背け、中国の政権は責任を問われず、ウイグル人は姿を消し続け、犠牲者は、彼らにふさわしい正義を得ることができなかった」と指摘。
「世界が正義の行動を拒んだことで、中国政府にこうした行為を繰り返すことへの自信を与えてしまった」と述べたうえで、国際社会、各国の政府、政治家、企業に、同じ過ちを繰り返さないように行動を呼びかけた。
「この事件以来、中国共産党の犠牲になったのは、ウイグル人だけではない。トゥルク人も、モンゴル人も、チベット人も、そして、香港の人々も、さらに、現在の中国政府・共産党にあえて批判的立場に立ったひとも犠牲者になり続けている」と訴えた。
そして「世界は、こうした人道上の不正にようやく目覚め始めている。私たちは、連帯し、私たちの声を聞いてもらうために戦います」と言明した。