Zhang Feng)
山西省北部の長治市が管理する襄垣県の趙家嶺村は19世紀以来、中国全土のカトリック信徒に知られた巡礼地だ。住民全員がカトリック信徒のその村の、様々な”しるし”が、中国共産党の推進する「中国化」の名のもとに”消し去られている。
趙家嶺村では1790年、フランシスコ会のイタリア人修道士、マリアーノ・ラザリ神父がカトリック信徒たちの家を訪問中に毒殺された。死を悼んだ信徒の女性が、聖母マリアの取り次ぎを願う教会建設のための献金を始め、それがきっかけとなって、1827年から1872年にかけて、赵佳玲( Zhaojialing)の聖母教会が建てられ、中国全土から信徒たちが巡礼に来るようになった。
1966年から1976年にかけて中国前途に吹き荒れた文化大革命の際に、破壊、閉鎖されたが、1987年に信徒たちの努力で再建され、以来、最近まで、毎年5月に大規模な巡礼祭が続けられてきた。(写真は山西省 趙家嶺村の赵佳玲( Zhaojialing
)の聖母教会(2017年現在、WeChat))
教会には、監視カメラが設置され、厳しい規制の下に、司祭と信徒たちは密かに祈りの集会を持つことを余儀なくされているという。
地元のある信徒は、「聖堂が『罪を犯す』ように作り変えられてしまった」とBitterWinterの取材に語った。村の通りの宗教的な表示版も強制的に
改められ、たとえば、「聖母大街(野の聖母大通り)」と「上天之門(天の門)」は、それぞれ「和諧大街(調和大通り)」、「玫瑰之門(バラの門)」となった。
さらに、通りの両側に表示された聖書の一節は、共産党を称賛するスローガンに置き換えられた。
中国政府・共産党の管理・統制下にある中国天主愛国協会に加盟するカトリック教会を含めて、カトリックの信仰を表わす印や像などの撤去、破壊はこれが初めてではない。
たとえば、今年の5月には、河北省中央部の邢台市にある中国天主愛国協会加盟の教会の聖人の絵と殉教者の石碑が、それと分からないように手を加えられた。聖人の絵は、中国文化を宣伝する書に置き換えられ、殉教者の石碑は、「双井並納亭」とされ、殉教者たちの名前も由来も分からないようにされてしまった。
(翻訳・編集「カトリック・あい」)