・日米など18か国1地域の国会議員が香港政府に12人の若者の中国本土拘禁に介入するよう要求

(2020.12.2 カトリック・あい)

Hong Kong Chief Executive Carrie Lam attends a news conference following the annual policy address in Hong Kong, Nov. 25. (Photo by Lam Yik/Reuters)

 アジアの有力インターネット・メディアLiCAS.newsが2日伝えたところによると、世界18か国1地域の国会議員155人以上が共同で、香港の林鄭 月娥・行政長官国家安全維持委員会主席に書簡を送り、ボートで香港を脱出しようとして逮捕され、中国本土で拘禁されている16歳の少年を含む12人に正当な扱いがなされるよう、当局に働きかけることを要求した。

 18か国と1地域は、オーストラリア、カナダ、デンマーク、EU、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、日本、リトアニア、ミャンマー、オランダ、ニュージーランド、ナイジェリア、ノルウェー、スウェーデン、ウガンダ、英国、米国で、これらの国会議員が書簡に署名している。

 LiCAS.newsによると、12人は民主化運動に関わったとして香港で起訴されたが、台湾に逃れようとして、8月23日に洋上で逮捕、以来、中国本土の深圳市の刑務所に拘留されている。18か国の国会議員たちは書簡で、行政長官に対して、「中国本土では、容疑者に拷問などで強制的に自白させるようなことが行われており、そうしたことが12人に対してもなされることが懸念される」として、中国共産党の当局者に対し、「若者たちに対して、尊厳と人権が守られる」ように求め、「早急に、香港に12人を戻し、法定代理人を指名し、家族との面会ができるようにすること」を要求している。

 12人に対して、中国当局は先週、彼らが「違法な国境通過と組織化の罪に直面している」としたが、最高7年の懲役刑が課せられる可能性がある。国際人権団体などからは、12人の身体的な状況について懸念する声も出ており、英国に拠点を置くHong Kong Watchのベネディクト・ロジャース代表は、「彼らが拘留され、家族と直接接触できず、処方薬や家族が選んだ弁護士を現地に送ることも当局から拒否されている」と訴え、「これは香港の民主化運動家が、香港でなく中国本土の法廷に立たされるのが一般的になってしまうかどうかの分水嶺だ」と指摘している。

 

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
2020年12月3日