・”ウクライナ”の陰でー中国共産党の習主席、”人権”の扱いについて「党への絶対服従」を公安当局に指示(BW)

Xi Jinping’s speech of March 1. Source: Government of the People’s Republic of China.

 中国共産党の習主席が3月1日に行った演説は、指令が公安職員に調査を義務付けている唯一の文書ではない。主席が2月25日に中国共産党中央委員会の政治局の第37回共同勉強会で行った演説がある。これは、公安職員が「人権を侵害している」と批判される可能性があり、その批判が正当化されるかどうかを自問する可能性があるため、重要だ、という。

 1日の演説で、習主席は「人権活動に対する党の絶対的な指導」の原則を説明、「世界に共通する”人権”はない…。それぞれの国には人権を定義する権利があり、中国の特徴を備えた人権は欧米の定義する”人権”ではない、と西洋の人権と同じではない」と言明。

 「人権活動に対する党の絶対的な指導」の原則は、貧困との戦いを優先し、その戦いは、貧困を根絶するために何をする必要があるかを、個人やグループよりもよく知っている党の指導者に従うことによってのみ勝利することができる。

 そのために、党とその指令の理由がわからない場合も、党とその指令に従うことを意味する」「人権が尊重されていないように見えても、党は人権を保護するために何をする必要があるかをよく知っており、実践している」とも述べている。

 3月9日に、公安省の党委員会とその理論学習センターグループは、王暁宏・公安副大臣の下で会合したあと、中国各地の公安事務所に派遣された。中国全土で、訓練と形成のための新しい指令は、中国の法執行官にどの原則を教えるべきかを示し、彼らの日常業務を指導する必要があるため重要だ。

 新しい指令の中心にあるのは、習主席が2022年春学期の中央党学校における青年および中年幹部を対象とした訓練科目がスタートした3月1日に行ったスピーチへの言及だ。

 そのスピーチで、習主席は「腐敗」というお気に入りのテーマに戻り、「腐敗した警官が国と党を裏切ることがあるので、この指令は公安警官にとって重要」としている。ただし、習主席にとって「腐敗」が何を意味するのかを理解することが重要だ。主席は3月1日の演説で、「一部の官僚は泥棒であるが、党を愛せず無条件に従わない人々は、金を盗んだり、賄賂を受け取ったりしなくても、すでに”心の泥棒”だ」と述べている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2022年3月26日