・バチカンが、キリスト教一致推進のための司教向け指導書を発表

 

(2020.12.4 Vatican News Christopher Wells)

  バチカンのキリスト教一致推進評議会(議長・クルト・コッホ枢機卿)が4日、世界の司教たちがそのキリスト教一致への責任を果たすよう奨励し、支援するための指針を発表した。

Cardinal Koch introduces “The Bishop and Christian Unity: an Ecumenical Vademecum”

 「The Bishop and Christian Unity: an Ecumenical Vademecum」というタイトルのハンドブックは、2016年にキリスト教一致推進評議会の議員から要請されていたもの。教会一致推進に関する聖ヨハネパウロ2世の回勅(「Ut unum sint(キリスト者の一致)25周年、そして、聖ヨハネ23世による同評議会設立60周年を記念して発行された。

 今年の初め、教皇フランシスコは、「Ut unum sint」の記念日に関するコッホ議長への書簡で、「教会一致への働きは、『目に見える源であり、一致の基盤』であるすべての司教の使命の本質的な側面です」と語っていた。

 新指導書は、「Ut unumsint」で聖ヨハネ・パウロ二世が示した教え、第二バチカン公会議の「エキュメニズムに関する教令」、同評議会が作成した2つの文書、「エキュメニズムの原則と規範適用のための指導書=1993」「司牧活動に従事する人々の育成におけるエキュメニカルな側面」を基礎にし、二部構成となっている。

 第一部では、カトリック教会の教区レベル、国レベルの教会一致運動、一致の形成のための組織や人員配置のあり方、マス・メディアの活用について言及。

 第二部では、「カトリック教会が他のキリスト教共同体と協力する次の4つの方法について述べている。

1.「霊的なエキュメニズム」ー第二バチカン公会議の「エキュメニズムに関する教令」が「エキュメニカル運動の魂」と表現するもの。

2.「慈しみの対話」ー私たちの共通の洗礼によって、他のキリスト教徒との日々のつながりと協力における「出会いの文化」の促進。

3.「真理の対話」ーカトリック教徒が他のキリスト教徒と、とくに神学的対話を通して、神の真理の探求をともに担う。

4.そして、おもに司牧に関して、他のキリスト教徒と共に交流し、協力する機会を含めた「命の対話」ー世界に向けたキリストの教えの証し、そして文化。

 会見で、コッホ議長は、今回の指導書は教会一致運動の原則を示すだけでなく、「実践上の事項」、つまり、世界の司教たちが、それぞれの担当教区、地域で実践することのできる活動の具体的内容を具体的に示すことを狙いとしている、と説明。キリスト教の一致は旅であり、「私たちが、キリストと共にその旅を行なえば、キリストご自身が一致をもたらしてくださる」という教皇フランシスコの言葉を引用して、新指導書の説明を締めくくった。 

 指導書の全文はバチカンのキリスト教一致推進評議会のウエブサイトhttp://www.christianunity.va/content/unitacristiani/en/news/2020/2020-12-04-vademecum-online.htmlに。.

 

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2020年12月5日