(2024.1.6 Crux)
教会関係者からは、女性たち、特にウェルズ主教の参加は、カトリックの最高位レベルでの「シノダリティ(共働性)」を実践し、教会の、より包括的であらゆる声を歓迎する取り組みにおける大きな進歩を示すもの、と評価する声が出る一方、「女性助祭を認め、司祭職への女性叙階を求める声に賛同する行為」と警戒する向きもある。
ウェルズ主教は、同じ 英国国教会の司祭と結婚し、2人の子供を持つ。英国国教会事務局の次長に就任するまでケンブリッジ大学で神学を教え、数冊の本を執筆し、社会における女性の指導的役割について定期的に発言。教皇フランシスコも出席した 2022年のカザフスタンでの宗教間サミットでは、男性が大多数を占める参加者を前に女性の扱いの現状に不満を述べ、「男女平等は神の計画の一部です」と主張している。
ディ・ベラルディーノ女史は聖書と舞踏のかかわりについての専門家で、舞踏を通して神への賛美と崇拝を表現することに力を注ぎ、「身体と舞踏の神学」に関する著作やさまざまなワークショップへの参加を勧めている。最近、主への賛美の舞踏の精神性を説明する本「Dancing Mercy」を出版した。
同じくイタリア人のシスター・ポシェは昨年12月の前回C9にも呼ばれているが、スペインの雑誌『ヴィダ・ヌエバ』のインタビューで、カトリック教会における女性の問題は「複雑」であり、「単純化に陥ることなく」対処しなければならない、とし、 「女性は常に教会で最も活発な立場にありますが、教会には、多かれ少なかれ攻撃的な形の男らしさ、あるいは聖職者主義が依然として存在する。”シノドスの道”はこうした教会の姿勢を正すのに役立ちます」と語っている。
昨年10月のシノダリティ(共働性)に関する世界代表司教会議(シノドス)総会第一会期の会合では、女性の助祭、司祭叙階の是非や教会一般における女性の役割などの話題が議論され、争点の一つとなった。信徒、聖職者、修道者は同様にこのテーマに取り組みたいと考えていたが、統一的なアプローチやビジョンで一致するには至らなかった。 議論は今年10月の第二会期の会合でも続けられ、再び女性の役割が主要テーマの一つとなる可能性が高い。