Ukrainian serviceman decorates a Christmas tree, in Bakhmut (REUTERS)
(2022.12.24 Vatican News Stefan J. Bos )
ロシアによる軍事侵略が始まって10か月、教皇フランシスコの和平努力も実らず、市民の平安な暮らしが破壊され続けるウクライナ。そうした中でも、ウクライナの人々は力を合わせて、主の降誕の祈りを捧げ、祝っている。
首都キエフの聖ミカエル大聖堂でも、平和を祈るクリスマスのミサが捧げられた。この聖堂で、レシャとヴァレリーは出会い、ロシアによる侵攻が始まった翌月、3月に結婚した。2人は当時、民間防衛隊の志願兵で、結婚式の模様は世界に向けて放映された。
それから9 か月がたち、妻のレシャは防衛隊を去ったが、夫のヴァレリーは軍務を続けており、クリスマスを祝うために一時的に再会できたことを彼女はとてもうれしく思っている。
夫と共にキャンドル・セレモニーに参加したレシャは、 「私たちは、愛と優しさと平和を分かち合うように、この光を分かち合っています… 特に、ロシアの侵略から国を守るための戦いの最中にあって、このような気持ちを共有することは、クリスマスの深い意味を思い起こすために重要です」と語った。
ロシアの軍事侵略でこれまでに少なくとも数万人が命を落とし、さらに多くの人が負傷し、数百万人が家を追われている。そうした欧州で第二次世界大戦以後、最大規模の軍事侵略の恐怖からのひと時の心の安らぎを、クリスマスが提供している。
だが、軍事侵攻開始から10か月を経ても、「クリスマス休戦」は実現していない。ウクライナ当局によると、ロシア軍は23日から24日にかけても、戦車、迫撃砲、大砲、ロケット砲を使って、ウクライナ東部、ドネツク州の都市バフムート郊外の新開地を攻撃した。
ドネツク州の都市は、ウクライナ軍にとって東部地域の支配権を回復するために欠かせない場所であり、ロシア軍も譲る気配がない。ウクライナのゼレンスキー大統領は今週、最前線のこれらの都市を訪れ、市民や兵士たちを激励した。
クリスマスの祝いが終わると、夫が、このウクライナを守る戦いの最前線にすぐに戻らねばならないことをレイシャは覚悟している。「このままでは、私たちの将来の計画を立てることができない。私たちは平和を願っています。 しかし、単なる平和ではありません。 (ロシアの軍事侵略との戦いに)勝利しての平和を望んでいます。私たちウクライナ国民を団結させるのは、このたった一つの願いなのです」。
これは、ウクライナの、平和を祈るキリスト教徒を含め、何百万人もの人々が共有するクリスマスの願いだ。多くの人たちが、ロシアの容赦ない攻撃によって、発電所など生活に欠かせないインフラの多くが破壊される中で、極寒に直面している…。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)