(2022.12.30 Vatican News Lisa Zengarini)
バチカンのニュース通信社Fides News Agency(FNA)が30日発表したところによると、2022 年1年間に世界で殺害されたカトリック宣教師は18人。アフリカ大陸で最も多くの宣教師が命を落としている。
「宣教師」について、FNAは、「『信仰に対する憎しみ』に限らず、暴力的行為を受けて亡くなった、教会活動に従事しているすべての受洗者」と定義。教皇フランシスコの使徒的勧告「Evangelii Gaudium(福音の喜び)では「洗礼を受け、神の民のすべての成員は宣教する弟子…教会の中の役目がどんなものであっても… 一人ひとりが福音宣教者なのです」(120項)としている。
2022年に亡くなった18人の内訳は、司祭 12 人、修道士 1 人、修道女 3 人、神学生 1 人、信徒 1 人で、地域別では アフリカが9 人で最も多く、次いで中南米 8 人、アジア 1 人となっている。
*ナイジェリアなどアフリカで9人が殺害
最も多くの犠牲者を出したアフリカでは、誘拐が多発するナイジェリアで 4 人の司祭が殺害されている。また、 紛争で荒廃したコンゴ民主共和国(DRC)では、2 人の司祭と 1 人の修道女が殺害され、タンザニアとモザンビークでも司祭と修道女が命を落とした。モザンビークでは近年、北部のカボ デルガド州で武装グループによる暴力が激化している。
*中南米でも 8 人が殺されている
中南米では、メキシコで今年も最も多い犠牲者が出ている。3 人の司祭と 1 人の神学生が殺害された。12 月 27 日に、サカテカス州の神学生が強盗を試みた武装集団に殺害されたばかり。それ以前にも6月20日に、79歳と80歳のイエズス会司祭2人がチワワ州で麻薬カルテルの武装勢力によって射殺されている。この事件はメキシコ全土に怒りを巻き起こし、 教皇フランシスコも強く批判された。
また、ホンジュラスで2 人、ボリビアで1 人が命を落とした。ハイチの首都ポルトープランスでは、6 月 25 日、20年間も路上生活の子供たちの世話をしていたイタリア人の64歳の修道女が強盗に殺害されている。
*アジアで司祭1人が殺害
アジアでは、ベトナムのドミニコ会司祭が、コン トゥム教区で告解を聞いている際、精神病の男性に刺されて死亡している。
今年、オセアニアとヨーロッパでは宣教師の殺害は報告されていません。 オリビエ・メール、SMM、フランスのモンフォール宣教師の管区長で、ルワンダ生まれの精神的な問題を抱えた移民によって殺害されました。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)