☩「私たちも、教会も、『人を思いやるイエスの眼差し』を持っているか」年間第31主日の正午の祈り

(2022.10.30 Vatican News  Devin Watkins )

 教皇フランシスコは30日、年間第31主日の正午の祈りの説教で、この日のミサで読まれたルカ福音書の「徴税人ザアカイ」の箇所(19章1-10節)を取り上げ、イエスのザアカイとの場面を振り返られて、「主は、私たちの尊厳を回復したい、という強い希望をもって、打ちひしがれた人類に、いつも眼差しを注いでくださる」と語られた。

 「徴税人ザアカイ」の場面では、イエスがザアカイに「あなたの家に泊まることにしている」とおっしゃった話が語られている。

 教皇は、この徴税人が木に登ってイエスを見下ろした時に、イエスと共有する「眼差し」に注目された。エリコの町の徴税人の頭だったザアカイは、「イエスが誰か」を見ようとしたが、背が低かったので、群衆に遮られてみることができず、木に登らねばならなかった。

 

*やり直す機会はいつも与えられている

 教皇はまず、ザアカイが「イスラエルを支配しているローマ帝国のために働く徴税人で、他の人から金をゆすり取るために地位を利用したため誰からも嫌われ、罪人の烙印を押されていた」ことに注目。そして彼は、これまで見たこともないイエスを、木に登ってまで見ようとした。

 「ザアカイのこの振る舞いは、『人生においてすべてが失われることは決してないのだ』ということを教えてくれます。私たちは、『もう一度始めたい、やり直したい、回心したい』と切望する場を、いつでも見つけることができるのです」と教皇は語られた。

*神は私たちを導くために謙虚になられる

 教皇が次に注目されたのは、「迷える人々を探し求めるために御父から遣わされたイエスの眼差し」だ。

 ルカの福音書には、イエスは、ザアカイが登った木のそばに来ると、上を見上げて「ザアカイ、急いで降りてきなさい。今日はあなたの家に泊まることにしている」と言われた、と書かれている。

 教皇は、「この言葉は、ザアカイを下から『見上げる』という、イエスの素晴らしい姿に続いています」とされ、「これが救いの歴史です。私たちを下から見上げ、言葉をかけられるどころか、私たちの足を洗い、私たちの尊厳を回復するところまで身を低くされたのです」と説かれた。

 さらに「このエピソードは、救いの歴史のすべてを要約しています。悲惨の中にある人類は、贖罪を求めますが、神はまず、憐れみをもって、被造物を救おうとされます」と付け加えられた。

 

* イエスは愛をもって私たちを見つめておられる

 続いて教皇は、この福音が私たちにとって何を意味するのかに注意を向けられ、「神は、私たちの過ちを含めて過去にこだわることは決してなく、むしろ、『私たちが何になれるかを、限りない自信を持って』見ておられます」と指摘。

 そして、「私たちが人生の試練に立ち向かえないときでさえ、イエスはいつも愛をもって私たちを見つめておられ、私たちが喜んで受け入れるなら、私たちの家にイエスご自身を招いてくださいます」と強調された。

 そのうえで、教皇は「私たちもまた、自分自身をどのように見ているか、他の人々が『数々の過ちの積もった塵』から立ち直ろうと奮闘しているのをどのように見つめているか、を考えるよう求められているのです」と語られ、次のように締めくくられた。

 「私たちキリスト教徒は、思いやりをもって、迷える人々を探し求め、下から抱きしめられるキリストの眼差しを持たなければなりません。これは教会の視線であり、常にそうでなければなりません」。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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(2022.10.30 バチカン放送)

教皇、韓国・ソウルの転倒事故の犠牲者を悼む

 教皇フランシスコは、30日の正午の祈りの集いで、韓国・ソウルの繁華街で発生した転倒事故に言及、犠牲者の冥福を祈られた。突然の事故で亡くなった若者たちをはじめとするすべての人々を心に留め、これらの犠牲者を復活の主に託して祈られた。

 29日夜、ソウルの梨泰院(イテウォン)の路地で起きた、密集の中の転倒や圧迫による犠牲者はこれまでに154人、負傷者は133人確認されている。

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ソマリアで爆破テロ:教皇、暴力的な人々の回心祈る

 教皇フランシスコは30日の正午の祈りの集いで、ソマリアの首都で起きた爆破テロの犠牲者のために祈られた。

  「キリストの悪と死に対する勝利を記念しつつ、モガディシオのテロ攻撃の犠牲者のために祈りたいと思います。このテロでは多くの子どもたちを含む100人以上が亡くなりました」と述べた教皇は、「神が暴力的な人々の心を回心させてくださいますように」と祈られた。

 アフリカ東部ソマリアの首都モガディシオで、10月29日、2回の爆発が起きた。この爆発により少なくとも100人が死亡、300人以上が負傷した。ソマリア当局はこの事件をイスラム過激派組織アル・シャバーブによるテロであると見ている。現場は、モガディシオ中心部の教育省前で、路上に置かれた車2台が相次ぎ爆発した。2017年10月にも同じ場所で大規模な爆破テロが発生し、500人以上が犠牲となっている。

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2022年10月30日