*世界の司教協議会による被害者保護の体制整備を支援する
問:被害者の立場と彼らへの理解を優先事項として、そして教会の司牧面での関心事として、今後、委員会が新たに何に取り組もうとしていますか?委員長としてどのような仕事にとりかかっていますか?
オマリー枢機卿:先週、新メンバーたちとZoomミーティングを行いました。10月には、ここローマでメンバー全員の会議を開き、今後の課題について話し合い、教皇が私たちに与えてくださった新しい役割について検討する予定です。
私たちは、委員会の仕事に、より多くの人的、物的資源を確保しようとしています。そして、教皇が望んでおられる、世界のすべての司教協議会が未成年虐待についてバチカンへの報告を確実に行えるようなセンターの設立のために、必要な人的、物的資源を確保できるような支援を、とくに発展途上地域の司教協議会に行えるようにしたい、と考えています。
私がいつも言っているのは、「人々が即興で”演奏”すると、どんなに善意があっても、多くの間違いを犯すだろう」ということです。そして、間違いが、多くの苦しみを引き起こします。被害者の権利と求めに応えようとする場合、加害者、教会共同体、政府や自治体との関係も考慮する必要があります。被害者に対する保護・支援プログラムの効果的な実施にも、十分な教育と訓練が必要です。
様々な課題とこなしていくことで、教会が子供や青少年にとって安全な場所となることができるのです。
問: 個人的なことをお聞きします。あなたは40年近く司教として、そして16年にわたって枢機卿として働いておられます。あなたは、ご自分の教会における聖職者としての仕事の多くで、教会における聖職者の性的虐待に焦点を当ててきた、と言われました。あなたは聖職者としての仕事をどのようにして続けておられますか。あなたと同じような立場にあり、複雑な状況の中で難しい判断を下さねばならない女性と男性、特に指導的立場にある女性と男性に、どのような励ましの言葉をおかけになりますか?
オマリー枢機卿:私がしている仕事は容易なものではありませんが、私にとって一番重要な聖職者としての仕事だと確信しています。教会は福音を宣べ伝えるために存在していますが、人々が私たちを信頼しないなら、いったい、どのように福音を宣べ伝えることができるでしょう?マルティーニ(バチカンの改革派で、教皇候補にも挙げられたイタリアのイエズス会士、カルロ・マリア・マルティーニ枢機卿。ミラノ教区長の前にバチカンの聖書学院長、グレゴリアン大学学長を歴任。聖書学者、教育者としても知られ、聖書釈義から詩、祈りの手引きまで、数多くの著作を残し、2012年8月に85歳で亡くなった)は、イエスの優先事項について語る素晴らしい著作の中で、イエスがもっとも重視されたのは「憐れみ」だった、なぜなら、憐れみは福音宣教の基本であり、伝える相手に、あなたがたを愛している、ということを知ってもらう必要があるから、と指摘しています。
フランシスコが教皇に就任された時の、聖ヨセフに関する説教はとても素晴らしいものでした。教皇は語られましたー「ヨセフのように、私たちは賜物を守らねばなりません。それが教会が果たすべき機能です」と。
私たちは主からの賜物を守り、子供たちを守らねばなりません。そうすることで初めて、私たちは、信頼を得、人々に声を聴いてもらえるに値する存在となるのです。私たちが子供たちを確かに愛していること、教会が若者たちにとって最も安全な場所となることを希望し、その実現に努めているのだ、ということを、人々が理解して、初めて、福音宣教が可能となるのです。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)