(2022.7.10 Vatican News Christopher Wells)
教皇フランシスコは10日、年間第15主日の正午の祈りに続いて、スリランカでの平和への訴えを新たにし、リビアでの建設的な対話と和解を促し、ウクライナでの「無意味な戦争」の終結を改めて訴えられた。そして、この日、世界中で記念されている「海の日曜日」を思い起こされ、船員とその家族のために祈られた。
*スリランカ
この中で教皇はまず、国家破産など経済危機と大統領辞任など政治状況の急激な悪化が進むスリランカの人々の苦しみに心を寄せられ、私はあなたがたの側にいる」と励まされた。
*リビア
また、「リビアの人々、特に若者と、国の深刻な社会的および経済的問題のために苦しんでいるすべての人々」に対する特別の思いを示され、「建設的な対話と国内の和解を通じて、国際社会の助けを借りて」、これらの問題に対する「新しい、説得力のある解決策」を求められた。
リビアは2011年にカダフィ政権が崩壊して以来、混乱状態が続いている。2021年12月に予定されていた大統領選挙は2022年6月まで延期され、今月初めには、デモ隊が東部の都市トブルクにある国会議事堂を襲撃、以来、抗議行動は全国に広がっている。
*ウクライナ
ウクライナではロシアによる軍事侵攻が長期化し、和平の見通しも立っていない。教皇は、「この無意味な戦争に終止符を打つ方法を示してくださいますように」と、改めて神に祈られた。そして、「残忍な攻撃に毎日苦しめられているウクライナの人々」に強い思いを寄せられるとともに、「ウクライナのすべての家族、特に犠牲者、負傷者、病気の人々のため、お年寄りと子どもたちのために、祈り続ける」ことを改めて約束した。
ウクライナからの最新ニュースでは、10日のロシア軍による東部の町チャシブヤール集合住宅へのロケット攻撃で、少なくとも15人が死亡し、多数の住民が瓦礫の中に閉じ込められている。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)